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免疫シナプスにおけるT細胞の活性化:その後のシグナル伝達のために小胞が現れる

T Cell Activation at the Immunological Synapse: Vesicles Emerge for LATer Signaling

Perspectives

Sci. Signal., 11 May 2010
Vol. 3, Issue 121, p. pe16
[DOI: 10.1126/scisignal.3121pe16]

Daniel D. Billadeau*

Department of Immunology, Division of Oncology Research, and Schulze Center for Novel Therapeutics, College of Medicine, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.

* Corresponding author. E-mail, billadeau.daniel@mayo.edu

要約: T細胞と抗原提示細胞の間の免疫シナプス(IS)におけるシグナル伝達は、抗原ペプチドが負荷された主要組織適合複合体がT細胞受容体(TCR)と会合し た後に、近位のチロシンキナーゼであるLckと70kDのζ鎖会合プロテインキナーゼ(ζchain-associated protein kinase of 70 kD:ZAP-70)によって開始される。これらのキナーゼの活性化は、IS内に小さなタンパク質凝集体(マイクロクラスター)の形成を引き起こす。この マイクロクラスターは、シグナル伝達に重要なキナーゼとアダプタータンパク質を含む。サイトゾルに存在する76kDのSrcホモロジー2(SH2)ドメイ ン含有白血球リン酸化タンパク質(SH2 domain-containing leukocyte phosphoprotein of 76 kD:SLP-76)と、膜結合性のLATは、TCRに会合したZAP-70によってリン酸化される重要なアダプタータンパク質であり、これらはISでマ イクロクラスターを形成する。T細胞の活性化の際には、いずれかのタンパク質のマイクロクラスターが移動する。しかし、これらのタンパク質が互いに接触し てシグナルを伝達する機構はまだわかっていない。ある研究では、SLP-76またはLATのマイクロクラスターの発生と動態を観察することによって、この 疑問に取り組んだ。LATの大部分はISでマイクロクラスターを形成したが、一部のLATはISの直下にある可動性の細胞内小胞に存在していた。SLP- 76のマイクロクラスターはISで細胞膜の直下に形成され、細胞内部に向かって移動したのに対して、LATを含有するシナプス下の小胞はより速く移動した が、SLP-76マイクロクラスターと接触すると減速した。小胞性LATとSLP-76マイクロクラスターのこのような相互作用は、SLP-76会合アダ プタータンパク質のGADSとの相互作用を媒介するLATの重要なチロシンのリン酸化と同時に発生した。総合すると、これらのデータはISでのシグナル伝 達に関する新たな知見をもたらし、エンドソームネットワークがT細胞シグナル伝達に関与する可能性を示唆する。

D. D. Billadeau, T Cell Activation at the Immunological Synapse: Vesicles Emerge for LATer Signaling. Sci. Signal. 3, pe16 (2010).

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