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BMP:骨形成タンパク質から体形成タンパク質へ

BMPs: From Bone to Body Morphogenetic Proteins

Meeting Reports

Sci. Signal., 2 February 2010
Vol. 3, Issue 107, p. mr1
[DOI: 10.1126/scisignal.3107mr1]

Darja Obradovic Wagner1, Christina Sieber1, Raghu Bhushan1, Jan H. B?rgermann1, Daniel Graf2, and Petra Knaus1*

1 Institute of Chemistry and Biochemistry, Freie Universitaet Berlin, Berlin, Germany.
2 Institute of Oral Biology, University of Zurich, Zurich, Switzerland.

A report on the First International BMP Workshop: "Modern Trends in BMP Signaling," Berlin, Germany, 6 to 9 September 2009.

* Corresponding author. E-mail, knaus@chemie.fu-berlin.de

要約:骨形成タンパク質(BMP)のファミリーは、膜貫通型セリン/トレオニンキナーゼ受容体を介してシグナル を伝達する約30の分泌性サイトカインから成る。BMPシグナル伝達経路は、多くのレベルで微調整される。すなわち、細胞外アンタゴニストがリガンド活性 を変化させ、複数の共受容体が多様な機構を介して下流のシグナル伝達イベントを亢進または抑制し、細胞内分子がシグナル伝達の結果をさらに調節し、他の経 路とのクロストークを媒介する。BMPは、体全体の構造および過程に影響を与え、それは、胚パターン形成および幹細胞やそれらのニッチを介する発生から、 組織の恒常性や再生まで多岐にわたる。Marshall Uristは、骨中の未知の因子が筋肉において骨の成長を誘導できることを最初に発見し、後に「骨形成タンパク質」という名を提案したが、多様な組織にお ける広範囲にわたる関与を予想していなかった。今日では、骨疾患および腎障害の治療のために、組換えBMPが臨床的に使用されており、新たな遺伝子組換え BMPが、再生医療および組織工学における有望なツールとして浮上している。明らかに、体内のBMPの機能は、最初に予想されたよりも多彩である。BMP シグナル伝達の最新トレンドを議論するために、2009年9月ベルリンにおいて、この分野の先駆者たちが、第1回BMP国際会議 (International BMP Workshop)に集った。今回われわれは、様々な組織におけるBMPの役割に関する新たな洞察についてまとめ、細胞生物学、構造生物学、および発生生 物学における最近の発見とともに、BMPの治療への可能性について強調する。最後に、われわれは、BMPを今日では体形成タンパク質(body morphogenetic proteins)と呼ぶにふさわしいと結論づける。

D. Obradovic Wagner, C. Sieber, R. Bhushan, J. H. B?rgermann, D. Graf, P. Knaus, BMPs: From Bone to Body Morphogenetic Proteins. Sci. Signal. 3, mr1 (2010).

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