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非コードRNAのGas5は増殖停止および飢餓と関連するグルココルチコイド受容体のリプレッサーである

Noncoding RNA Gas5 Is a Growth Arrest- and Starvation-Associated Repressor of the Glucocorticoid Receptor

Research Article

Sci. Signal., 2 February 2010
Vol. 3, Issue 107, p. ra8
[DOI: 10.1126/scisignal.2000568]

Tomoshige Kino1*, Darrell E. Hurt2, Takamasa Ichijo1, Nancy Nader1, and George P. Chrousos3

1 Unit on Molecular Hormone Action, Program in Reproductive and Adult Endocrinology, Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development, National Institutes of Health, Building 10, Clinical Research Center, Rm. 1-3140, 10 Center Drive MSC 1109, Bethesda, MD 20892-1109, USA.
2 Bioinformatics and Scientific IT Program, Office of Technology Information Systems, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Bethesda, MD 20892-1109, USA.
3 First Department of Pediatrics, Athens University Medical School, Athens 11527, Greece.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: kinot@mail.nih.gov

要約:栄養を利用できるかどうかは、遺伝子の転写に影響することによって、細胞の増殖や生存に影響を及ぼす。グ ルココルチコイドも遺伝子の転写に影響を及ぼし、細胞増殖、エネルギー消費および生存に対し様々な作用を有する。われわれは、栄養の欠如あるいは増殖因子 の欠如によって増殖が停止している細胞中に豊富に存在する非コードRNAのGas5(増殖停止特異的5)が、細胞アポトーシス抑制因子2(cIAP2)を コードする遺伝子などのいくつかのグルココルチコイド応答遺伝子の発現誘導を抑制することによって、細胞をアポトーシスに感作させることを発見した。 Gas5は、おとりグルココルチコイド応答配列(GRE)として作用することによって、グルココルチコイド受容体(GR)のDNA結合ドメインに結合し、 DNAのGREがGRに結合するのと競合した。Gas5はGRの「リボリプレッサー」であり、GRの転写活性を調節することによって、飢餓状態にある細胞 の生存および代謝活性に影響を及ぼすと考えられる。

T. Kino, D. E. Hurt, T. Ichijo, N. Nader, G. P. Chrousos, Noncoding RNA Gas5 Is a Growth Arrest- and Starvation-Associated Repressor of the Glucocorticoid Receptor. Sci. Signal. 3, ra8 (2010).

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2010年2月2日号

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