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TNFR1の膜貫通ドメイン構造はリガンド非依存性の自己活性化を抑制するがTNF誘導性のシグナル伝達には必要ない
The transmembrane domain structure of TNFR1 suppresses ligand-independent autoactivation but is not required for TNF-induced signaling

SCIENCE SIGNALING
12 May 2026 Vol 19, Issue 937
DOI: 10.1126/scisignal.adz0203
Panxue Wang1, 2, Assaf Elazar3, Jonathan Y. Weinstein3, Nicholas J. Chandler1, 2, Sarel J. Fleishman3, Melissa J. Call1, 2, Matthew E. Call1, 2, *, John Silke1, 2, *
- 1 Walter and Eliza Hall Institute of Medical Research, Parkville, VIC 3052, Australia.
- 2 Department of Medical Biology, University of Melbourne, Parkville, VIC 3052, Australia.
- 3 Department of Biomolecular Sciences, Weizmann Institute of Science, Rehovot 7610001, Israel.
- * Corresponding author. Email: mecall@wehi.edu.au (M.E.C.); silke@wehi.edu.au (J.S.)
Editor’s summary
サイトカインのTNFによるシグナル伝達は、感染に対する免疫応答を仲介し、その調節不全は多数の炎症性疾患の基礎になる。三量体TNFがその受容体であるTNFR1に結合すると、三量体や高次のTNFR1によるシグナル伝達が刺激される。Wangらは、他のTNFRスーパーファミリーメンバーの膜貫通ドメイン(TMD)がリガンド依存性の受容体活性化を支持することに注目し、単量体から四量体までの受容体構造をとらせる改変型TMDを発現する変異TNFRにおけるシグナル伝達を検討した。TMD間の会合は、TNF刺激によるシグナル伝達に寄与するのではなく、リガンド非依存性のTNFR1活性化を阻害した。このアプローチは、同様の受容体の構造-機能関係に関する洞察を提供する可能性がある。—John F. Foley
要約
腫瘍壊死因子(TNF)は重要な炎症性サイトカインであり、主にTNF受容体1型(TNFR1)と結合することによってシグナルを伝達する。TNFR1はI型の1回膜貫通型タンパク質であり、主に単量体および二量体として存在すると考えられている。三量体リガンドの結合により、シグナル伝達能力を有する三量体や高次オリゴマーの形成が誘導され、下流のNF-κBおよびMAPKシグナル伝達経路が完全活性化する。TNFR1を含むいくつかのTNFRスーパーファミリーメンバーは、みずからの膜貫通ドメイン(TMD)を介して三量体構造を形成することができる。FasおよびDR5では、これらの構造がリガンド誘導性の活性化を支持し、細胞外ドメイン(ECD)の相互作用がリガンド非依存性シグナル伝達を阻害する。TNFR1活性化における構造の役割を検討するために、われわれは、ネイティブなTNFR1 TMDを、明確な単量体またはオリゴマー状態の安定した特異的構造を形成する、天然および新規設計のTMDに置換した。これらのTMD変異受容体のうち、マウス線維芽細胞においてTNF誘導性シグナル伝達の欠損を示すものはないが、一部が、とくに改変型TMD配列により自己会合が妨げられた場合に、リガンド非存在下で自己活性化の増加を示すことがわかった。自己活性化は細胞内デスドメインの相互作用に依存し、疾患関連変異によって悪化したが、プレリガンド会合ドメインの変異には影響を受けなかった。われわれの結果は、他のTNFRファミリーメンバーの場合と異なり、TNFR1の正常なリガンド誘導性活性化には特異的なオリゴマーTMD構造は必要ないが、ネイティブTMDを介する自己会合が代わりに、ECD相互作用とともに、リガンド非存在下の自己活性化を抑制するように働く可能性があることを示している。
2026年5月12日号






