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破骨細胞におけるNLRP3インフラマソームの活性化は、Ca2+流入を制限するTmem178依存性機構により抑制される
Activation of the NLRP3 inflammasome in osteoclasts is suppressed by a Tmem178-dependent mechanism that restricts Ca2+ influx

SCIENCE SIGNALING
21 Apr 2026 Vol 19, Issue 934
DOI: 10.1126/scisignal.aea2753
Khushpreet Kaur1, Yael Alippe2, Chun Wang1, Nicholas P. Semenkovich3, 4, Mohamed G. Hassan1, 5, Saumya Bhagat1, Kunjan Khanna6, Yongjia Li1, Nitin Pokhrel1, Timothy Peterson7, Erica L. Scheller1, 5, 8, Deborah J. Veis1, Yousef Abu-Amer6, 9, Roberta Faccio6, Gabriel Mbalaviele1, *
- 1 Division of Bone and Mineral Diseases, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
- 2 Division of Rheumatology, Washington University School of Medicine, St. Louis MO 63110, USA.
- 3 Data Science Institute, Medical College of Wisconsin, Milwaukee, WI 53226, USA.
- 4 Department of Medicine, Division of Endocrinology and Molecular Medicine, Milwaukee, WI 53226, USA.
- 5 Center of Regenerative Medicine, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
- 6 Department of Orthopedic Surgery, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
- 7 Healthspan Technologies Inc., St. Louis, MO 63110, USA.
- 8 Department of Biomedical Engineering, Washington University in St. Louis, St. Louis, MO 63130, USA.
- 9 Shriners Hospital for Children, St. Louis, MO 63110, USA.
- * Corresponding author. Email: gmbalaviele@wustl.edu
Editor’s summary
骨吸収は、Ca2+を含む種々の刺激による破骨細胞のNLRP3インフラマソームの活性化に応答して生じる。Kaurらは、Tmem178と呼ばれるERタンパク質がストア作動性Ca2+流入の阻害因子として働き、破骨細胞におけるNLRP3の活性化および骨吸収を制限することを見いだした(SchmidtおよびWagnerによるFocusも参照)。培養下の破骨細胞では刺激誘導性のNLRP3インフラマソームの活性化は認められなかったが、Tmem178を欠損していた場合にはそのような活性化がみられた。Tmem178欠損マウスでは骨量が低かったが、NLRP3を遺伝学的に欠損させることでこの表現型から回復した。これらの結果から、破骨細胞においてCa2+により誘導されるNLRP3活性刺激に対する門番となり、骨喪失を抑制している機構が特定された。—Wei Wong
要約
NLRP3インフラマソームの活性化は、種々の炎症状態における破骨細胞による骨吸収を促進していると考えられる。本稿でわれわれは、破骨細胞におけるNLRP3インフラマソーム活性化および骨吸収活性に対する阻害因子として、SOCE活性化の抑制によりCa2+流入を制限するタンパク質である「Tmem178」を同定した。さらにわれわれは、破骨細胞形成の間にNLRP3存在量は徐々に減少するが、細菌生成物であるLPSで処理することで回復することを見いだした。LPSおよびNLRP3活性化因子のニゲリシンにより、マクロファージ中のこのインフラマソームは予想通り刺激されたが、破骨細胞またはそれらの系統特異的前駆細胞では刺激されなかった。このような差次的なNLRP3活性化は、破骨細胞中に豊富に含まれるタンパク質である「Tmem178」によるものであり、これがNLRP3インフラマソームの核形成を抑制していた。それに伴い、Tmem178を欠損する破骨細胞または高濃度のCa2+に曝露された野生型破骨細胞では、NLRP3インフラマソームの活性化が強固なものであった。in vivo試験から、破骨細胞が骨からのCa2+放出を効率的に行う条件下ではインフラマソームの形成が促進されること、およびNlrp3の欠損はTmem178−/−マウスにおける骨減少という表現型をレスキューすることが実証された。したがってこれらの結果から、Tmem178は破骨細胞におけるCa2+流入を強力に制限し、それによりNLRP3インフラマソームの活性化を抑制していることが示された。
2026年4月21日号






