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mTORC1および核内ERKが4EBP1のリン酸化を介して心筋細胞における翻訳を空間的に調節する

mTORC1 and nuclear ERK spatially control translation in cardiomyocytes through 4EBP1 phosphorylation

Research Article

SCIENCE SIGNALING
21 Apr 2026 Vol 19, Issue 934
DOI: 10.1126/scisignal.adu5769

Keita Uchida1, *, Emily A. Scarborough1, Elizabeth Pruzinsky2, Kathlyene R. Stone1, Hali Hartman3, Daniel P. Kelly2, Jonathan J. Edwards2, 3, Izhak Kehat4, Benjamin L. Prosser1, *

  1. 1 Department of Physiology, Pennsylvania Muscle Institute, University of Pennsylvania Perelman School of Medicine, Philadelphia, PA 19104, USA.
  2. 2 Penn Cardiovascular Institute, Department of Medicine, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
  3. 3 Division of Cardiology, Cardiac Center, the Children’s Hospital of Philadelphia, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
  4. 4 Rappaport Institute and the Bruce Rappaport Faculty of Medicine, Technion – Israel Institute of Technology, 1 Efron Street, P.O. Box 9697, Haifa 3109601, Israel.
  5. * Corresponding author. Email: bpros@pennmedicine.upenn.edu (B.L.P.); kuchida@pennmedicine.upenn.edu (K.U.)

Editor’s summary

心筋細胞は、タンパク質翻訳が行われる場所に応じて、長さ方向または幅方向に成長可能である。Uchidaらは、心筋細胞の幅を増大させる求心性肥大に特異的なリン酸化イベントを明らかにした。求心性肥大を誘発する刺激を受けたマウスの心筋細胞では、翻訳開始因子4EBP1のこれまでERK標的部位として特徴づけられていなかったアミノ酸が核内ERKによってリン酸化された。このリン酸化イベントによってリボソームとタンパク質合成が心筋細胞の中心部に再局在化されたが、心筋細胞の長さを増大させる偏心性肥大のマウスモデルではこのようなリン酸化は検出されなかった。これらの知見は、新生タンパク質の蓄積を空間的に再分布することによって特定方向への心筋細胞の成長を促進する特異的リン酸化イベントを同定するものである。—Wei Wong

要約

心筋細胞の成長は局所的な翻訳に依存しており、さまざまな刺激に応じて長さ方向または幅方向に成長可能である。求心性肥大では、タンパク質合成が増大し、心筋細胞の幅が増大することによって心筋が厚くなる。タンパク質合成は翻訳開始段階で調節されるが、このとき、転写産物上へロードされるリボソームは真核生物翻訳開始因子4E結合タンパク質1(4EBP1)の連続的なリン酸化によって制御される。本研究でわれわれは、培養心筋細胞およびマウス心臓における求心性肥大に関連する4EBP1のリン酸化機序を同定した。mTORC1による4EBP1の標準的なリン酸化は全体的なタンパク質合成速度を制御するが、mTORC1および核内ERKに依存した4EBP1のリン酸化は求心性肥大において特異的に活性化され、偏心性肥大においては活性化されなかった。核内ERKに依存した4EBP1のSer64のリン酸化は、翻訳が開始される場所を核により近い場所に再局在化するための必要十分条件であった。ERK活性化は、全体的なmRNA分布を変化させることなく、リボソームと新生翻訳を心筋細胞の中心部へと再分布させ、心筋細胞内部に新生サルコメアタンパク質の空間的に濃縮された蓄積をもたらした。まとめると、これらの知見は、全体的なタンパク質合成が異なる細胞内区画における異なるキナーゼの活性化によって空間的に制御されうることを示しており、求心性肥大を促進する機構を同定するものである。

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