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シュワン細胞からのMAPK依存性GDNF放出が、神経線維腫症1型における腫瘍非依存性疼痛を媒介している
MAPK-dependent release of GDNF from Schwann cells mediates tumor-independent pain in neurofibromatosis 1

SCIENCE SIGNALING
26 May 2026 Vol 19, Issue 939
DOI: 10.1126/scisignal.aee5174
Namrata G. R. Raut1, Kourtney L. Sprague1, Aaditya Adlakha1, Ashley R. Rupert1, Megan C. Hofmann1, Luis F. Queme1, 2, Nancy Ratner3, 4, Michael P. Jankowski1, 2, 3, *
- 1 Department of Anesthesia, Division of Pain Management, Cincinnati Children’s Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.
- 2 Pediatric Pain Research Center, Cincinnati Children’s Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.
- 3 Department of Pediatrics, University of Cincinnati College of Medicine, Cincinnati, OH 45229, USA.
- 4 Division of Cancer Biology and Experimental Hematology, Cincinnati Children’s Hospital Medical Center, Cincinnati, OH 45229, USA.
- * Corresponding author. Email: michael.jankowski@cchmc.org
Editor’s summary
神経線維腫症1型(NF1)は、多発性神経鞘腫と神経障害性疼痛を引き起こす可能性がある遺伝性疾患である。RautらはNF1において、腫瘍発生に依存せず発生前に生じる神経障害性疼痛の、標的となりうる原因を見いだした。NF1のマウスモデルにおいて神経鞘を形成しているシュワン細胞は、より多くの神経栄養因子GDNFを産生・放出し、このGDNFが末梢感覚神経上のその受容体を活性化して、神経の接触感受性を高めていた。NF1腫瘍治療薬としてFDAにより既に承認されている阻害薬を用いてGDNFの産生を阻害したところ、この感受性は低下したことから、この阻害薬を患者の神経障害性疼痛治療のために再活用できる可能性が示唆された。—Leslie K. Ferrarelli
要約
神経線維腫症1型(NF1)は、ニューロフィブロミン遺伝子NF1の変異が、生活の質を著しく低下させる疼痛を含め神経系に種々の機能障害を引き起こす、遺伝性腫瘍素因症候群の一種である。疼痛は、腫瘍に依存するものと依存しないものの両方が起こりえることから、その治療的な管理は困難である。シュワン細胞においてNf1がホモ接合で欠損したマウスでは、腫瘍発生前から疼痛が認められ、この疼痛はグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)遺伝子発現の亢進と関係している。本稿でわれわれはNF1マウスモデルを用いて、GDNF産生増加の原因とその下流に位置する標的細胞を検討した。その結果、NF1マウスにおけるGDNFの主な供給源はシュワン細胞であることを見いだした。シュワン細胞由来のGDNFが、高閾値機械受容器およびポリモーダルのC線維上にある受容体GFRα1を活性化し、これがマウスにおける機械的過敏症を媒介していた。マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達の薬理学的阻害剤をマウスに投与したところ、疼痛様行動が減少し、シュワン細胞におけるGDNFの発現がmRNAおよびタンパク質レベルで低下した。これらの知見から、NF1における腫瘍非依存性疼痛の根底にあるシグナル伝達経路に洞察がもたらされ、治療的介入の標的となりうる経路が明らかとなった。
2026年5月26日号






