- ホーム
- キナーゼTBK1およびIKKεの欠損はIFN-γを介する炎症性細胞死プログラムを通じてT細胞殺傷に対する標的がん細胞の感受性を高める
キナーゼTBK1およびIKKεの欠損はIFN-γを介する炎症性細胞死プログラムを通じてT細胞殺傷に対する標的がん細胞の感受性を高める
Loss of the kinases TBK1 and IKKε sensitizes target cancer cells to T cell killing through an IFN-γ–mediated inflammatory death program

SCIENCE SIGNALING
7 Jul 2026 Vol 19, Issue 945
DOI: 10.1126/scisignal.adz7366
Nicholas D. Sun1, Allison R. Carr1, Erica N. Krogman1, Yogesh Chawla1, Jun Zhong2, Matthew C. Guttormson1, Mark Chan1, Michelle A. Hsu1, Haidong Dong1, 3, Dusan Bogunovic4, Akhilesh Pandey2, 5, Laura M. Rogers1, Adrian T. Ting1, *
- 1 Department of Immunology, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- 2 Department of Laboratory Medicine and Pathology, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- 3 Department of Urology, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- 4 Columbia Center for Genetic Errors of Immunity, Department of Pediatrics, Columbia University Irving Medical Center, New York, NY 10032, USA.
- 5 Center for Individualized Medicine, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- * Corresponding author. Email: ting.adrian@mayo.edu
Editor’s summary
細胞傷害性T細胞は、標的に対して細胞溶解因子を分泌することによって細胞を殺傷するほか、炎症性サイトカインのインターフェロン-γ(IFN-γ)を産生する。Sunらは、キナーゼのTBK1およびIKKεを欠損したメラノーマ細胞が、IFN-γ依存的に、マウス細胞傷害性T細胞による殺傷を受けやすくなることを見出した。TBK1およびIKKε欠損した標的細胞はアポトーシスを起こし、これはIFN-γ誘導性のTNF受容体発現増加に依存し、炎症性サイトカインの放出を伴った。これらの結果から、TBK1とIKKεは、T細胞由来IFN-γによって刺激されるアポトーシスおよび炎症経路を阻害するように、協調的に作用することが示唆される。—John F. Foley
要約
細胞傷害性T細胞はサイトカインのインターフェロン-γ(IFN-γ)を産生する。われわれは、IFN-γが標的細胞を直接殺傷するかどうかを検討し、T細胞はIFN-γを用いて、キナーゼTBK1およびIKKεを欠損したマウスメラノーマ細胞を殺傷することを見出した。両キナーゼの非存在下で、IFN-γは腫瘍細胞においてTNF受容体1(TNFR1)およびセンサーのZ-DNA結合タンパク質1(ZBP1)の産生を誘導し、細胞自律的に受容体相互作用タンパク質キナーゼ1(RIPK1)依存性アポトーシスを刺激した。IFN-γはまた、TBK1とIKKεの両方を欠損した細胞において、TNFR1依存的に核内因子κB(NF-κB)シグナル伝達の活性化を増強した。IFN-γ誘導性アポトーシスは転写依存的に生じ、その進行速度は緩やかであったため、死につつある細胞においてSTAT1とNF-κBが協調して炎症性遺伝子の発現を活性化した。このように、IFN-γ誘導性細胞死は、TBK1およびIKKεの非存在下で炎症シグネチャーを伴った。TBK1およびIKKεは、I型IFNの誘導を媒介するだけでなく、RIPK1依存性の細胞死とNF-κB依存性の炎症を阻害した。したがって、TBK1およびIKKεのアンタゴニストを産生する病原体に感染された細胞が、I型IFN産生の阻害を補償するためにIFN-γを分泌するT細胞によって炎症という形で除去されるように、両キナーゼがこの絡み合った機能を獲得した可能性があることをわれわれは提唱する。
2026年7月7日号






