• ホーム
  • 治療効果と副作用の低減が見込まれる新規サイケデリックのキパジン(quipazine)誘導体の設計

治療効果と副作用の低減が見込まれる新規サイケデリックのキパジン(quipazine)誘導体の設計

Design of a new psychedelic quipazine analog with therapeutic efficacy and potentially fewer side effects

Research Article

SCIENCE SIGNALING
21 Jul 2026 Vol 19, Issue 947
DOI: 10.1126/scisignal.adw6055

Jason Younkin1, 2, †, ‡, Ajay H. Bansode3, †, Somdatta Saha1, Archana Paymode3, Jessica L. Maltman1, 4, Charles B. Jones3, Justin M. Silverman1, 4, Belle Buzzi1, 4, Alaina M. Jaster1, 4, Michael Fiorillo1, 4, Jeremy Rolquin1, 3, George D. Miller5, Roya Abedi5, Minho Kang1, Maya Gaines-Smith1, 4, Enrique I. Valenzuela Lesme1, Mattias Embretsen1, Jennifer T. Wolstenholme1, Richard A. Glennon3, Hamid I. Akbarali1, M. Imad Damaj1, I. Scott Ramsey5, Małgorzata Dukat3, *, Javier González-Maeso1, *

  1. 1 Department of Pharmacology and Toxicology, Virginia Commonwealth University School of Medicine, Richmond, VA 23298, USA.
  2. 2 Virginia Institute for Psychiatric and Behavioral Genetics, Virginia Commonwealth University, Richmond, VA 23298, USA.
  3. 3 Department of Medicinal Chemistry, Virginia Commonwealth University School of Pharmacy, Richmond, VA 23298, USA.
  4. 4 Biomedical Sciences Graduate Program, Virginia Commonwealth University School of Medicine, Richmond, VA 23298, USA.
  5. 5 Department of Cellular, Molecular, and Genetic Medicine, Virginia Commonwealth University School of Medicine, Richmond, VA 23298, USA.
  6. † These authors contributed equally to this work.
  7. ‡ Present address: Department of Biology, Virginia State University, Petersburg, VA 23806, USA.
  8. * Corresponding author. Email: mdukat@vcu.edu (M.D.); javier.maeso@vcuhealth.org (J.G.-M.)

Editor’s summary

セロトニン作動性サイケデリックの臨床使用は、その副作用によって制限されている。Younkinらは、臨床的に望ましくない作用の原因となるセロトニン受容体サブタイプよりも臨床的に望ましい作用を媒介するセロトニン受容体サブタイプ(5-HT2AR)に対してより高い活性を示すサイケデリックとしてキパジン(quipazine)誘導体VCU-1012を作製した。VCU-1012は、キパジンと同様にマウスにおいて抗うつ作用および抗不安作用を示したが、キパジンにみられるような胃腸系副作用は認められなかった。さらに、他のサイケデリックと同じく、5-HT2AR依存的に前頭皮質における樹状突起スパインの密度を高めた。このようにVCU-1012は、従来のサイケデリックよりも好ましい副作用プロファイルをもつ5-HT2ARアゴニストとして有望である。—Wei Wong

要約

セロトニン2A受容体(5-HT2AR)を標的とするサイケデリックは、精神神経疾患の治療薬として期待されているが、オフターゲット作用がしばしば妨げになる。5-HT2ARアゴニストであるキパジン(quipazine)も、望ましくない副作用に関与する5-HT3Rを活性化する。本研究でわれわれは、キパジンベースながら5-HT3R活性を伴わない、構造的に異なる5-HT2ARアゴニストVCU-1012を開発した。VCU-1012は、5-HT2ARの活性化に不可欠な窒素原子を特定するための構造分解と、5-HT3Rアゴニスト作用を最小化する構造活性相関研究を組み合わせた、戦略的な化学設計によって開発された。そして、マウスにおいて、VCU-1012が5-HT3Rを活性化することなく5-HT2ARを介することでキパジンにみられる胃腸系の副作用を回避しつつ、前頭皮質の樹状突起スパインの構造的可塑性を調整し、抗うつ様作用を示すことを示した。さらに、分子モデリングと変異体解析では、VCU-1012が5-HT2ARの標準的なオルソステリック結合ポケットで相互作用することが示された。まとめると、これらの知見は、VCU-1012が胃腸への影響を軽減した治療薬候補であることを立証するとともに、リガンドと受容体の相互作用の違いが受容体結合ポケット内のリガンドの配置にどのように影響するかを強調し、標的を定めた治療効果をもつサイケデリックの設計に指針を与えるものである。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2026年7月21日号

Research Article

がんにおけるNDRG1の発現はDNA損傷修復への依存性とキナクリン(quinacrine)に対する感受性をもたらす

治療効果と副作用の低減が見込まれる新規サイケデリックのキパジン(quipazine)誘導体の設計

最新のResearch Article記事

2026年07月21日号

がんにおけるNDRG1の発現はDNA損傷修復への依存性とキナクリン(quinacrine)に対する感受性をもたらす

2026年07月21日号

治療効果と副作用の低減が見込まれる新規サイケデリックのキパジン(quipazine)誘導体の設計

2026年07月14日号

E3リガーゼTRIM13はSTIM1量およびIRE1α依存性小胞体ストレス応答を低下させることによりLPS誘導性炎症を抑制する

2026年07月14日号

グリセロール3-リン酸がmTORC1のGATOR2依存性制御を通じて脂質代謝を活性化する

2026年07月07日号

キナーゼTBK1およびIKKεの欠損はIFN-γを介する炎症性細胞死プログラムを通じてT細胞殺傷に対する標的がん細胞の感受性を高める