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クロストリディオイデス・デフィシル(Clostridioides difficile)は宿主の栄養免疫に対する応答と共生生物由来の抗菌薬に対する応答を共役させることによって腸内での増殖を可能にする
Clostridioides difficile couples responses to host nutritional immunity and a commensal-derived antibiotic to enable growth in the gut

SCIENCE SIGNALING
8 Sep 2026 Vol 19, Issue 954
DOI: 10.1126/scisignal.aef8846
Martin V. Douglass1, Lauren R. Melton1, †, M. Wade Calcutt2, Tess P. McNeely3, Sarah L. Price1, Matthew J. Munneke1, Eric P. Skaar1, *
- 1 Department of Pathology, Microbiology, and Immunology, Vanderbilt Institute for Infection, Immunology, and Inflammation, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
- 2 Mass Spectrometry Research Center, Department of Biochemistry, Vanderbilt University, Nashville, TN 37232, USA.
- 3 Medical Scientist Training Program, Pritzker School of Medicine, University of Chicago, Chicago, IL 60637, USA.
- † Present address: Biological and Biomedical Sciences Program, University of North Carolina Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
- * Corresponding author. Email: eric.skaar@vumc.org
Editor’s summary
共生細菌および宿主による微量金属の隔離は、クロストリディオイデス・デフィシル(Clostridioides difficile)などの日和見病原体の定着から腸を保護する。Douglassらは、共生生物由来の抗菌ペプチドであるバシトラシンに対するC. difficileの耐性が、他の細菌種でバシトラシンを無毒化するBceモジュールの改変型に依存することを明らかにした。鉄が欠乏すると、C. difficileのバシトラシン感受性が高まったが、同時にBceモジュールをコードするレギュロンの発現が脱抑制された。バシトラシンは、C. difficile感染マウスモデルの死亡率を低下させ、Bceモジュール欠損型の細菌を排除した。このように、改変型Bceモジュールは、バシトラシンと低鉄状態に対するC. difficileの応答を協調させることによって腸内での増殖を可能にする。—Annalisa M. VanHook
要約
グラム陽性日和見病原体であるクロストリディオイデス・デフィシル(Clostridioides difficile)は、宿主およびマイクロバイオームからの数々の脅威に適応することによって腸内に定着する。マイクロバイオームによる脅威の一つとなりうるのが、共生細菌バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)によって産生され、細胞壁の新生に不可欠な脂質担体であるウンデカプレニルリン酸の脱リン酸化と再利用を阻止する、抗菌ペプチドのバシトラシンである。グラム陽性細菌は通常、Bceモジュールと呼ばれる多タンパク質からなる膜複合体を用いてバシトラシンを感知して応答する。われわれは、ウンデカプレニルピロホスファターゼBacA2をバシトラシン応答に取り込んだC. difficileのBceモジュールを同定した。このBceモジュールは、in vitroおよびマウスにおいて、B. licheniformisまたはバシトラシンの存在下でC. difficileが生存するために不可欠であった。Bceモジュールをコードする遺伝子の発現は、腸内の鉄の利用可能量の宿主による制限に応答するために不可欠な遺伝子の発現を調節する転写抑制因子Furによって阻害された。低鉄状態はウンデカプレニルリン酸の生合成を抑制し、C. difficileのバシトラシン感受性を高める。これらの知見は、低鉄状態とバシトラシンが独立して、また複合してC. difficileに影響し、結果的にウンデカプレニルリン酸の再利用を阻害するというモデルを裏づける。これに対してC. difficileは、ウンデカプレニルリン酸を再利用する遺伝子とバシトラシンを排出する遺伝子の転写を促進する。いずれの遺伝子もFurおよびBceモジュールによって調節される。この特徴的なBceモジュールは、栄養免疫とマイクロバイオームの構成細菌によって産生される抗菌分子に応答して外被の完全性を維持し、宿主への定着を支えるシステムを形成している。
2026年9月8日号






