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ストレスがグリオーマに手を貸す
Stress lends a helping hand to glioma

SCIENCE SIGNALING
8 Sep 2026 Vol 19, Issue 954
DOI: 10.1126/scisignal.aem0403
Leslie K. Ferrarelli
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA.
Corresponding author. Email: lferrare@aaas.org
Z. Yang, J. Zhou, F. Fei, B. Zheng, S. X. Yang, T. M. Pearce, P. Zhang, L. Huang, J. Yue, Q. Shen, Y. Du, X. Liao, S. Cheng, L. Li, J. Liang, L. Liu, X. Wan, M. D. Taylor, J. R. Ecker, S. Zhou, J. N. Rich, L. Zhao, Macrophage-mediated brain-bone marrow crosstalk promotes chronic stress-induced glioma growth. Cancer Cell 44, 1587–1604.e7 (2026).
ストレス誘導性の神経免疫軸が腫瘍寛容マクロファージのグリオーマへの動員を促進する。
がん患者における慢性ストレスは不良な予後と関係している。グリオーマのマウスモデルにおいて、ストレスは腫瘍増殖を加速し、免疫微小環境を抑制する。Yangらは、慢性ストレスが、交感神経系から骨髄へのシグナル伝達を通じてグリオーマ寛容マクロファージの脳への動員を増大させることを見いだした。マウスにおける慢性的な拘束ストレスは、交感神経ニューロンを活性化してノルアドレナリンを循環に放出させ、グリオーマを自然発症するよう遺伝子操作したマウスではこれによって腫瘍の増殖が増加した。しかし細胞培養においては、ノルアドレナリンはグリオーマの細胞増殖を促進しなかった。その代わりに、培養とin vivoの両方で、ノルアドレナリンは骨髄系細胞のβ2アドレナリン受容体を活性化し、その結果として、マクロファージとミクログリアのマーカーおよび補体タンパク質5a(C5aR1)受容体の両方を発現している免疫細胞が産生された。マウスにおけるこれらのストレス関連マクロファージ(SAM)はその後、循環を通じて脳内のグリオーマの微小環境に運ばれた。グリオーマ患者コホートでは、血清中のノルアドレナリンの存在量および自己報告されたストレスが、外科的に切除された腫瘍中のSAM数と相関していた。別のグリオーマ組織マイクロアレイにおいて、腫瘍中のこれらSAM数は患者の生存期間の短さと相関していた。ストレス負荷マウスにおいて、マクロファージのC5ar1のノックアウト、またはC5aR1あるいはアドレナリン作動性シグナル伝達のいずれかの阻害は、グリオーマの成長速度を低下させ、生存期間を延長させた。これらの知見は、慢性ストレスを報告するグリオーマ患者に対して、このストレス誘導性神経免疫軸を標的とするよう設計された治療が有効である可能性を示唆している。
2026年9月8日号






