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病原性CD4+ Tヘルパー細胞の代謝リプログラミングはマウスにおいて炎症性腸疾患を軽減する
Metabolic reprogramming of pathogenic CD4+ T helper cells attenuates inflammatory bowel disease in mice

SCIENCE SIGNALING
6 Oct 2026 Vol 19, Issue 958
DOI: 10.1126/scisignal.aeb2392
Shravan K. Mishra1, 2, Leena M. Abdelrahman1, 2, Hyun Se Kim Lee2, Lucía Valenzuela-Pérez2, Dina F. Manna2, Tanner J. Abram1, 2, Lama Mohamed Ali1, 2, Heidi M. Davidson1, 2, Omar M. Hassan1, 2, William A. Faubion Jr.2, Petra Hirsova2, Adebowale O. Bamidele1, 2, 3, *
- 1 Immunometabolism and Mucosal Immunity Laboratory, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- 2 Division of Gastroenterology and Hepatology, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- 3 Department of Immunology, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905, USA.
- * Corresponding author. Email: Bamidele.Adebowale@mayo.edu
Editor’s summary
病原性TH1細胞は、解糖系代謝を行い、サイトカインIFN-γを産生して大腸炎などの炎症状態を惹起するCD4+ T細胞のサブセットである。Mishraらは、TH1細胞にピルビン酸メチルを用いて代わりに酸化的リン酸化を強制的に行わせたところ、遺伝子発現の変化が生じ、その結果、細胞の炎症性が低下した。病原性TH1細胞における解糖系代謝はキナーゼGSK3βによって誘導されており、大腸炎マウスモデルをGSK3β阻害剤で処置したところ、疾患の重症度が軽減した。合わせるとこれらの知見は、病原性TH1細胞の機能を支える、GSK3β依存的な代謝および遺伝子発現プロファイルの存在を浮き彫りにする。—John F. Foley
要約
CD4+エフェクターTヘルパー1(TH1)細胞は、炎症性腸疾患(IBD)を誘導する。本研究では、シグナル伝達、代謝、およびエピジェネティックなプログラムの統合的な制御が、どのようにその持続的な病原性を維持するかを調べた。ピルビン酸メチル(MePyr)を用いてミトコンドリアのピルビン酸代謝を促進すると、TH1細胞のエフェクター機能が抑制され、制御性様表現型の獲得が誘導されることがわかった。MePyrはグリコーゲン合成酵素キナーゼ3β(GSK3β)の活性を抑制して、代謝を解糖系から酸化的リン酸化(OXPHOS)へとシフトさせるとともに、細胞内アセチルCoAの蓄積を制限した。このような代謝リプログラミングは、炎症性サイトカインをコードする遺伝子のヒストンH3のアセチル化を低下させ、結果としてTH1細胞関連遺伝子の発現を低下させた。酢酸の投与やヒストン脱アセチル化酵素の阻害によって炎症性サイトカイン産生が回復したことから、アセチルCoA依存的なヒストンアセチル化が、代謝フラックスとエフェクター機能とを繋ぐ機構であることが示された。反対に、サイトカインであるインターロイキン-21は、GSK3β依存的にOXPHOSから解糖系へのシフトを促進することにより、TH1細胞のエフェクター活性を増強した。クローン病組織の単一細胞トランスクリプトーム解析では、非制御性CD4+ T細胞において解糖系遺伝子プログラムの濃縮が明らかとなった。これらの知見と整合して、T細胞移入大腸炎マウスモデルにおいて、GSK3βを薬剤で阻害することで疾患の重症度が軽減された。合わせるとこれらの知見は、TH1細胞の病原性を維持するGSK3β依存的な代謝-エピジェネティック軸を明らかにし、GSK3βをIBDの潜在的な治療標的として浮き彫りにする。
2026年10月6日号






