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高IgE症候群関連STAT3変異体におけるN末端ドメインの破損によってSTAT3が細胞質に隔離されることで疾患が引き起される

Disruption of the N-terminal domain in a STAT3 hyper-IgE syndrome variant causes disease by sequestering STAT3 in the cytoplasm

Research Article

SCIENCE SIGNALING
27 Oct 2026 Vol 19, Issue 961
DOI: 10.1126/scisignal.aeg5302

Joseph Mackie1, 2, 3, Dan Suan1, 2, 3, David B. Langley1, 2, Danielle T. Avery1, †, Geetha Rao1, Alexandra F. Freeman4, Paul E. Gray3, 5, 6, Francis Gracias Flor1, Satoshi Okada7, Daniel Christ1, 2, David R. Croucher1, 2, Antoine Guerin1, 2, 3, Cindy S. Ma1, 2, 3, Stuart G. Tangye1, 2, 3, *

  1. 1 Garvan Institute of Medical Research, Darlinghurst, Australia.
  2. 2 School of Clinical Medicine, Faculty of Medicine and Health, UNSW Sydney, Sydney, Australia.
  3. 3 Clinical Immunogenomics Research Consortium Australasia (CIRCA ), Sydney, Australia.
  4. 4 National Institute of Allergy and Infectious Disease (NIAID), Bethesda, MD, USA.
  5. 5 Department of Immunology and Infectious Disease, Sydney Children’s Hospital, Randwick, Australia.
  6. 6 School of Women’s and Children’s Health, UNSW Sydney, Sydney, Australia.
  7. 7 Department of Pediatrics, Graduate School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan.
  8. † Deceased.
  9. * Corresponding author. Email: s.tangye@garvan.org.au

Editor’s summary

転写因子STAT3の機能喪失型変異体は、常染色体顕性高IgE症候群(HIES)の原因となる。Mackieらは、HIES患者由来のSTAT3変異体を同定した。この変異体ではタンパク質のN末端ドメイン内にある保存残基が置換(R31Q)されていた。この置換によってSTAT3R31Qホモ二量体の転写活性が損なわれ、STAT3を介したサイトカインへの反応も優性的に損なわれた。STAT3R31QはSTAT3WTと優先的にヘテロ二量体を形成し、非活性型立体構造を安定化させ、STAT3を細胞質内に隔離した。これらの知見は、免疫細胞においてSTAT3機能を多面的に媒介するN末端ドメインの生理学的に重要な役割を明らかにするものである。—Annalisa M. VanHook

要約

常染色体顕性高IgE症候群(HIES)は、慢性皮膚粘膜カンジダ症、反復性副鼻腔肺合併症、非炎症性アトピー性皮膚炎、血清IgE高値、筋骨格系および血管系で発症する非免疫学的症状を特徴とする。大部分の症例は、STAT3のDNA結合ドメイン、SH2ドメイン、またはトランス活性化ドメインに影響するヘテロ接合性の機能喪失型ドミナントネガティブ(LOF/DN)バリアントによって引き起こされる。本研究でわれわれは、STAT3のN末端ドメインに影響する特有のSTAT3アレル(R31Q)を有する患者について報告する。この患者は、脳と肺の播種性侵襲性アスペルギルス症、気管支拡張症、血清IgE高値を呈していたが、非免疫性疾患の徴候はみられなかった。細胞株の生化学的解析では、R31QがSTAT3の存在量と転写活性を低下させ、野生型(WT)STAT3に対して優性阻害を示すことが実証された。これは、STAT3R31Qが優先的にSTAT3WTと二量体を形成し、STAT3WT:STAT3R31Q二量体が細胞質内に隔離され、STAT3の核移行と転写活性が低下したことが原因であった。この患者から採取したリンパ球は、メモリーB細胞、MAIT細胞、TH17サイトカインの減少など、標準的なSTAT3LOF/DN HIESで観察されるいくつかの典型的な異常を呈していた。一方で、この患者から採取したナイーブB細胞は、in vitroにおいてインターロイキン21(IL-21)によって誘導される免疫グロブリン分泌に部分的な障害が認められるのみで、この患者のTH2細胞数と循環TFH細胞数は正常であった。これらの知見は、N末端ドメインがSTAT3の二量体形成と機能を制御することを明らかにし、これまで知られていなかったSTAT3LOF/DN HIESの病因の生化学的機序を提示するものである。

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