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ジャンボアメフラシ(Aplysia californica)における神経細胞のtRNA修飾は行動の慣れが生じる過程で再パターン化される
Neuronal tRNA modifications in Aplysia californica are repatterned during behavioral habituation

SCIENCE SIGNALING
27 Oct 2026 Vol 19, Issue 961
DOI: 10.1126/scisignal.aed9028
Han Xin Huang, Gabriella M. Floro, Emmanuel Asare, Weichen Huang, Kevin D. Clark*
- Department of Chemistry, Tufts University, Medford, MA 02155, USA.
- *Corresponding author. Email: clark.kd@tufts.edu
Editor’s summary
神経細胞におけるmRNAの局所的な翻訳は、学習や行動の基となるシナプス可塑性を時空間的に支えている。mRNAの翻訳には、トランスファーRNA(tRNA)が不可欠である。Huangらは、海洋巻貝アメフラシ(Aplysia californica)における慣れ、すなわち刺激に対する防御反射が、その刺激への曝露を通じて減弱する学習の一形態の過程で、tRNAの運命を調べた。神経細胞において観察された結果の一つに、アンチコドンループにおける動的な修飾があった。このループは、mRNAと読み枠で正確に塩基対を形成する役割を担っている。こうした変化は神経節の特定の領域で生じ、tRNAそのものの数に変化は見られなかった。このことは、学習にtRNA修飾酵素の活性変化が関与することを示唆している。—Leslie K. Ferrarelli
要約
トランスファーRNA(tRNA)修飾は、基本的な神経機能の転写後調節として、その重要性がますます認識されている。明確に定義された行動を制御する特定の神経回路におけるtRNA修飾プロファイルを明らかにすることは、従来の神経生物学的なモデルが複雑であるため、困難である。本研究では、神経細胞数が少なく単純な構造を持つ、海洋軟体動物アメフラシ(Aplysia californica)の中枢神経系(CNS)を用い、防御反射の慣れが生じる過程でtRNA修飾の動態を調べた。われわれは、数十種類に及ぶtRNA修飾を同定および定量し、特定の低分子RNA修飾が、神経組織および非神経組織においてどのように分布しているかを明らかにした。水管刺激によって誘発される水管引き込み反射(SSWR)の慣れが生じると、SSWRを制御する主要な神経節において、tRNA修飾プロファイルが学習に関連した予測可能な変化を伴って再編成することを見出した。慣れ学習に伴ってアンチコドンループ上の修飾群が変化することが確認された。その中には、量が増加したN6-イソペンテニルアデノシン(i6A)や、逆に減少したN1-メチルアデノシン(m1A)およびN7-メチルグアノシン(m7G)が含まれる。これらのtRNA修飾の動態は、親tRNA自体の発現量の変化とは独立して生じており、行動の慣れがtRNA修飾酵素の活性を変化させたことを実証している。このように本研究は、tRNA修飾と行動の慣れとの間の関連を明らかにし、学習や記憶の転写後調節機構を理解するための新たな知見を提供する。
2026年10月27日号






