• ホーム
  • cGAS-STING経路によるI型インターフェロン誘導を制御する単球の遺伝子ネットワークのゲノムワイドマップ

cGAS-STING経路によるI型インターフェロン誘導を制御する単球の遺伝子ネットワークのゲノムワイドマップ

A genome-wide map of the genetic network in monocytes that regulates type I interferon induction by the cGAS-STING pathway

Research Resources

SCIENCE SIGNALING
18 Aug 2026 Vol 19, Issue 951
DOI: 10.1126/scisignal.adx3808

Emil Aagaard Thomsen1, 2, Jian Zhao1, 2, Ryo Narita1, 2, Luther J. Davis1, 2, David Olagnier1, 2, Søren R. Paludan1, 2, Jacob Giehm Mikkelsen1, 2, *

  1. 1 Department of Biomedicine, Aarhus University, Aarhus, Denmark.
  2. 2 Center for Immunology of Viral Infections, Aarhus University, Aarhus, Denmark.
  3. * Corresponding author. Email: giehm@biomed.au.dk

Editor’s summary

I型インターフェロン(IFN)は病原体や悪性細胞に対する防御に不可欠である一方で、IFN産生の調節不全は免疫不全、自己免疫疾患、がんに関与する。パターン認識受容体cGASとその下流エフェクターSTINGは、IFN-β(IFNB1にコードされている)などのI型IFNの産生を誘導する。Thomsenらは、ヒト単球細胞株でCRISPRスクリーニングを実施し、cGAS-STINGによるIFNB1発現の誘導を促進または制限する遺伝子を同定した。このスクリーニングによって、これまでIFN応答と関連づけられていなかった多くの遺伝子が同定された。その中には、STINGの下流で作用するキナーゼの活性化を促進するために協働するF-boxタンパク質TBL1XR1と脱アセチル化酵素HDAC3をコードする遺伝子が含まれた。これらのデータはIFN応答の制御について、より完成された全体像を構築するための情報源となる。—Annalisa M. VanHook

要約

I型インターフェロン(IFN)は、外来病原体や悪性形質転換から保護するために自然免疫系のパターン認識受容体(PRR)によって誘導され、その産生は抗ウイルス防御と組織恒常性のバランスを保つために厳密に調節される必要がある。われわれは、IFN制御を司る遺伝子ネットワークを明らかにするために、未刺激のTHP-1細胞、および進行中の炎症反応を模倣するためにIFN-αで刺激した細胞において、PRR cGASとその下流エフェクターSTINGによって誘導されるIFNB1遺伝子発現を正または負に制御する遺伝子のゲノムワイドCRISPRスクリーニングを実施した。未刺激の状態と刺激された状態ではIFNB1誘導に影響する遺伝子サブセットが異なっていたこと、また、多くの制御因子がそれまでIFN応答と関連づけられていなかったことから、IFNB1制御は多様な細胞経路と関連することが示された。たとえば、HDAC3はI型IFN応答に不可欠なドライバーであるキナーゼTBK1の活性化を促進すると同時に、NCoR/SMRTコリプレッサー複合体の構成要素であるTBL1XR1と協働してIFNB1発現を促進することが明らかになった。これらのデータセットは、免疫やがんにおけるI型IFN関連の先天性異常に関連する遺伝子を同定するため、およびインターフェロノパチー(インターフェロン症)やその他のI型IFN調節不全を伴う疾患においてSTINGシグナル伝達を調節する治療法を開発するための情報源となる。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2026年8月18日号

Research Article

腹側被蓋野におけるグルタミン酸-ドーパミン、非グルタミン酸-ドーパミン、およびグルタミン酸単独ニューロンの特性の違い

Research Resources

cGAS-STING経路によるI型インターフェロン誘導を制御する単球の遺伝子ネットワークのゲノムワイドマップ

最新のResearch Resources記事

2026年08月18日号

cGAS-STING経路によるI型インターフェロン誘導を制御する単球の遺伝子ネットワークのゲノムワイドマップ

2026年05月05日号

線虫(Caenorhabditis elegans)の時空間近接アトラスによってMAPK p38がin vivoにおける表現型可塑性の発生因子であることが明らかに

2026年04月28日号

ディープセクレトーム解析により、腹膜透析の共培養およびマウスモデルにおける線維化・血管新生リモデリングに対するLiClの影響を解明

2026年03月03日号

時間スケールの単一分子イメージングによってWnt共受容体LRP6およびROR2が共通のシグナロソームへと動的に会合する様子が明らかに

2026年02月24日号

リファレンスiPSC株KOLF2.1Jにおける神経分化の経時的プロテオームおよびリン酸化プロテオームダイナミクス