【01】N末端とC末端融合タグはどちらも機能しますか?
はい、N末端とC末端融合タグのどちらも機能します。
【02】非特異的タンパク質の結合を回避する方法はありますか?
必要に応じて、サンプルの「プレクリア処理(Pre-clearing)」を実施してください。その際、コントロールアガロース(品番:bab-20)またはコントロール磁性アガロース(品番:bmab-20)を利用できます。詳細は以下のトラブルシューティングガイドをご覧ください。
【03】免疫沈降に必要な哺乳類細胞数を教えてください。
1回の免疫沈降反応で約10^6~10^7の哺乳類細胞の使用をおすすめします。収量は目的のタンパク質や相互作用因子の発現レベルに依存する場合があります。
【04】免疫沈降に必要な細胞抽出物量を教えてください。
哺乳類細胞以外の場合、0.5~1.0mgの細胞抽出物の使用をおすすめします。
【05】質量分析のために、結合タンパク質をビーズから溶出する必要がありますか?
免疫沈降後にビーズ上で直接消化する方法も利用可能です。より迅速で効率的なサンプル前処理と高収率を実現します。詳細は以下の資料をご覧ください。
【06】酵素アッセイのために目的タンパク質をビーズから溶出する必要がありますか?
いいえ、活性中心がブロックされていない限り、直接酵素アッセイが可能です。詳細は以下の資料をご覧ください。
【07】1回の免疫沈降に必要なNano-Trap量を教えてください。
親和性が非常に高いため、1回の反応あたり25 µL(Nano-Trap slurry量)で十分です。
【08】各HA-Trap(アガロース、磁性アガロース、磁性ビーズ)の違いを教えてください。
各ビーズの特性(表1)に基づいて以下のように推奨します。
- アガロースビーズ(Agarose):非常に低いバックグラウンドおよび高い結合能を必要とするIPに最適
- 磁性アガロースビーズ(Magnetic Agarose):磁気分離および高い結合能を必要とするIPに最適
- 磁気ビーズ(Magnetic Particles M-270):磁気分離および非常に大きなタンパク質を対象とするIPに最適
表1. HA-Trap各種ビーズの特性
HA-Trap結合担体 |
アガロース |
磁性アガロース |
磁気ビーズ |
ビーズ詳細 |
アガロース (4% cross-linked) |
磁性アガロース (6% cross-linked) |
磁気ビーズ M-270 |
ビーズ形状 |
多孔質 |
多孔質、鉄コア |
固体 |
結合抗体 |
抗HAタグ組換えモノクローナルVHH抗体 |
分離可能なタンパク質サイズ*1 |
小〜大(<200 kDa) |
小〜大(<200 kDa) 特大(>200 kDa) |
ビーズ外観 |
白 |
黒 |
茶 |
ビーズサイズ |
90 µm |
40 µm |
2.8 µm |
結合能*2 (10 µLあたり) |
20 µg |
20µg |
5 µg |
バックグラウンド |
非常に低い |
低い |
磁気分離/自動化 |
No |
Yes |
最大遠心力(x g) |
2,500 x g |
800 x g |
8,000 x g |
*1 タンパク質のサイズ、形状、多量体/複合体、相互作用因子に依存します。
*2 約30 kDaのHA タグ融合タンパク質を適用した場合の結合能を示しています。