Eos蛍光タンパク質とは?
Eos*蛍光タンパク質(EosFP、Eos fluorescent protein、wt-EosFP、野生型EosFP)は、2004年に報告されたイシサンゴの一種(Lobophyllia hemprichii)に由来する蛍光タンパク質です[PMID: 15505211
]。EosFPは、光照射によって蛍光波長が切り替わる「光変換型(フォトコンバーティブル)蛍光タンパク質(PCFP:Photoconvertible fluorescent protein)」に分類されます。EosFP
は、紫外線(約390 nm)の照射によって、蛍光色が緑色(516 nm)から赤色(581 nm)へと不可逆的に変化する特性を有しています。この光スイッチ機能により、生細胞内でのタンパク質局在や動態を時空間的に追跡することが可能となり、細胞運命解析や超解像顕微鏡(PALM等)において有用な蛍光マーカー・蛍光タンパク質タグとして広く活用されています。
当初報告された野生型EosFPは四量体(テトラマー)構造を形成しますが、点変異の導入による構造改変によって単量体(モノマー)のmEos蛍光タンパク質(monomeric EosFP)が開発されました。現在ではmEosFP
、mEos2
、mEos4b
等、複数のバリアントを利用可能です。
*「Eos」という名称は、ギリシャ神話に登場する暁(曙/夜明け)の女神「Eos(エオス、夜明けを告げる女神)」に由来します[PMID: 15505211
]。光照射によって蛍光色が緑から赤へと変化する性質は、夜明けに光が射して空の色が変化する様子を象徴的に捉えていると考えられます。
■ VHH抗体とは?
VHH抗体は、Nanobody® としても知られるラクダ科動物の「重鎖抗体(Heavy chain-only antibody)」由来の抗原結合ドメインです。一般的な抗体と比べて、10分の1程度とサイズが小さく、高い特異性と親和性を示すことで知られます。

図. ラクダ科動物のユニークな重鎖抗体・VHH

図. 従来の1/10ほどの分子量
■ Nano-Trapとは?
Nano-Trap(ナノトラップ)は、迅速かつ効率的な免疫沈降(IP)に最適です。各種担体(アガロースビーズ、磁性アガロースビーズ、磁気ビーズ)に結合したVHH抗体で構成されます。
各種ビーズ上に結合したVHH抗体は、ビーズ上に残存し、SDSサンプルバッファー中で溶出されません。したがって、従来のIP解析でしばしば問題となるIP抗体由来の軽鎖または重鎖バンドの干渉が無く、シングルバンドの精製を可能とします。さらに、ウエスタンブロットに使用する一次抗体/二次抗体を自由に選択できます。
■ Nano-Trapのアプリケーション
- IP(免疫沈降)/ CoIP(共免疫沈降)
- ChIP(クロマチン免疫沈降)/ RIP(RNA免疫沈降)
- 質量分析(Mass spectrometry)
- On-bead enzyme assay

図. Nano-Trap(左)と従来型であるProtein A/G結合IgG抗体(右)を用いた免疫沈降の概要。Nano-Trapでは、単一のバンドを得られ、従来型とは異なり軽鎖/重鎖由来のバンドは観察されません。
■ Proteintech Group(プロテインテック)とは?
Proteintech Group, Inc.(プロテインテック)社は、2001年に設立された抗体製造メーカーです。現在までに、米国本社の他、英国、中国、ドイツ、フランス、シンガポール等で支社を展開し、各国で様々なマーカー抗体、タンパク質研究用試薬を供給しています。国内におけるテクニカルサポート等は、2016年より株式会社プロテインテック・ジャパン(www.ptglab.co.jp
)が担当しています。
- 全てオリジナル商品:自社ラボで製造、検証済み(購入後1年間の交換保証付き)
- 数多くの評判:国内・海外における累計130,300報以上の論文使用実績(2025年4月現在)
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