SNAPタグ/CLIPタグ(SNAP/CLIP-tag®)とは?
SNAPタグおよびCLIPタグは、182残基(19.4kDa)からなるタンパク質タグであり、外因的に添加される合成リガンドとの共有結合を触媒する「自己標識化タンパク質タグ(self-labeling protein tag)」として知られます。SNAPタグは、DNA修復に関与する酵素であるヒトO6-alkylguanine-DNA-alkyltransferase(hAGT、O6-アルキルグアニンDNAアルキルトランスフェラーゼ)を遺伝子改変して開発されたタンパク質タグです。SNAPタグは、基質としてO6-benzylguanine(ベンジルグアニン、BG)と反応し、SNAPタグの触媒中心と共有結合を形成します。すなわち、蛍光色素等で標識されたベンジルグアニン(BG)誘導体をリガンドとして利用することで、SNAPタグを融合して発現させた組換えタンパク質を検出することができます。CLIPタグは、SNAPタグを改変したタンパク質タグであり、ベンジルグアニン(BG)誘導体の代わりに、ベンジルシトシン(benzylcytosine、BC)誘導体と反応するよう遺伝子改変されています。SNAPタグとCLIPタグは同一細胞で同時に使用することも可能です。SNAP/CLIPタグは、一度リガンドと複合体を形成すると、触媒中心が塞がれるため、それ以降に他のリガンドは結合することができなくなります。したがって、リガンド結合後のSNAP/CLIPタグ融合タンパク質の検出や免疫沈降(IP)を実施する場合は、リガンドの代わりに、塞がれた触媒中心の外部領域に結合する抗体やVHH抗体(別名:Nanobody®)が使用されます。
■ VHH抗体とは?
VHH抗体は、Nanobody® としても知られるラクダ科動物の「重鎖抗体(Heavy chain-only antibody)」由来の抗原結合ドメインです。一般的な抗体と比べて、10分の1程度とサイズが小さく、高い特異性と親和性を示すことで知られます。

図. ラクダ科動物のユニークな重鎖抗体・VHH

図. 従来の1/10ほどの分子量
■ Nano-Trapとは?
Nano-Trap(ナノトラップ)は、迅速かつ効率的な免疫沈降(IP)に最適です。各種担体(アガロースビーズ、磁性アガロースビーズ、磁気ビーズ)に結合したVHH抗体で構成されます。
各種ビーズ上に結合したVHH抗体は、ビーズ上に残存し、SDSサンプルバッファー中で溶出されません。したがって、従来のIP解析でしばしば問題となるIP抗体由来の軽鎖または重鎖バンドの干渉が無く、シングルバンドの精製を可能とします。さらに、ウエスタンブロットに使用する一次抗体/二次抗体を自由に選択できます。
■ Nano-Trapのアプリケーション
- IP(免疫沈降)/ CoIP(共免疫沈降)
- ChIP(クロマチン免疫沈降)/ RIP(RNA免疫沈降)
- 質量分析(Mass spectrometry)
- On-bead enzyme assay

図. Nano-Trap(左)と従来型であるProtein A/G結合IgG抗体(右)を用いた免疫沈降の概要。Nano-Trapでは、単一のバンドを得られ、従来型とは異なり軽鎖/重鎖由来のバンドは観察されません。
■ Proteintech Group(プロテインテック)とは?
Proteintech Group, Inc.(プロテインテック)社は、2001年に設立された抗体製造メーカーです。現在までに、米国本社の他、英国、中国、ドイツ、フランス、シンガポール等で支社を展開し、各国で様々なマーカー抗体、タンパク質研究用試薬を供給しています。国内におけるテクニカルサポート等は、2016年より株式会社プロテインテック・ジャパン(www.ptglab.co.jp
)が担当しています。
- 全てオリジナル商品:自社ラボで製造、検証済み(購入後1年間の交換保証付き)
- 数多くの評判:国内・海外における累計130,300報以上の論文使用実績(2025年4月現在)
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