LC3を含む重要なマーカータンパク質、5種類／10種類のターゲット検出用のセット品 オートファジー抗体キット（Autophagy Antibody Kit）

オートファジー抗体キット（Autophagy Essentials/Expanded Antibody Kit）は、オートファジー経路で重要な役割を果たす因子やマーカータンパク質を検出する一次抗体が含まれるサンプラーキット（トライアル抗体パック）です。

抗体トライアルサイズ5種類が含まれる「エッセンシャル（Essentials）」または10種類が含まれる「エクスパンド（Expanded）」を選択できます。

■ オートファジーとは?

オートファジー（Autophagy）とは、真核生物における保存された細胞内タンパク質の分解経路です。損傷を受けたオルガネラ（細胞小器官）やミスフォールディングタンパク質（誤って折りたたまれたタンパク質）を除去することで、細胞の恒常性維持に寄与します。オートファジーは、細胞の恒常性や、細胞の増殖、発生、分化等の正常な生理的プロセスにおいて重要な役割を果たすと同時に、神経変性疾患、心筋症、自己免疫疾患、がん等の様々な疾患の病態形成にも関連しています。

■ オートファジーの進行過程は?

オートファジーは、（1）オートファゴソームの形成、（2）オートファゴソームとリソソームの融合（オートリソソームの形成）、（3）取り込み物質の分解、の3段階で構成される極めて動的なプロセスです。オートファジーは、栄養飢餓、増殖因子によるシグナル伝達、細胞ストレス等の種々のトリガー要因が関係する様々なシグナル伝達経路によって誘導されます。

■ オートファジー関連分子は?

オートファゴソームの形成プロセスは、開始、隔離膜の形成、伸長、閉鎖、最終的なリソソーム融合の過程を経て進行します。各ステップは、様々なATGタンパク質によって制御を受けます。オートファジー活性を計測するための理想的な手段は、オートファジー経路の分解速度を表す「オートファジーフラックス（autophagy flux）」のモニタリングです。オートファジーフラックスの測定に最も幅広く用いられている手法は、ウェスタンブロット（WB）によってオートファゴソーム小胞の膜タンパク質であるLC3のプロセシング（LC3-IおよびLC3-II量）を検出する手法です。正確にオートファジーフラックスを評価するために、LC3-IやLC3-IIの測定に加え、オートファジー基質であるp62/SQSTM1等をウェスタンブロット（WB）解析で同時に検出することがしばしば推奨されます。ウェスタンブロットの他に、オートファゴソームマーカーであるLC3と、リソソームマーカーであるLAMPを同時に染色して、オートファゴソームとリソソームの融合をモニタリングすることも可能です。

• ［参考ブログ記事］オートファジー 
• ［参考ブログ記事］オートファジー・細胞死 
• ［参考ブログ記事］オートファジーと疾患の発症 

• オートファジー経路で重要なターゲットを厳選
• プロテインテックで検証済み／豊富な引用実績の一次抗体
• 「エッセンシャル（5種類）」と「エクスパンド（10種類）」から選択可能
• ウェスタンブロット（WB）や免疫組織化学（IHC）染色を含む複数のアプリケーション適用
• キットに含まれる一次抗体は単品購入も可能

■ オートファジー抗体キットの構成内容（※）

ターゲット	エッセンシャル（5種類） （品番：PK30004 ）	エクスパンド（10種類） （品番：PK30005 ）	構成品 （単品品番）	包装
Beclin 1	●	●	66665-1-Ig	20 UL
LC3	●	●	81004-1-RR	20 UL
p62/SQSTM1	●	●	80294-1-RR	20 UL
ATG5	●	●	81803-1-RR	20 UL
LAMP1	●	●	21997-1-AP	20 UL
ULK1	-	●	20986-1-AP	20 UL
ATG16 L1	-	●	29445-1-AP	20 UL
ATG12	-	●	11122-1-AP	20 UL
Ubiquitin	-	●	80992-1-RR	20 UL
ATG9A	-	●	26276-1-AP	20 UL

※ キットに含まれる個別抗体の「交差種」や「適用アプリケーション」に関しては、「エッセンシャル（品番：PK30004 ）」または「エクスパンド（品番：PK30005 ）」のプロテインテック社製品ページをご参照ください。

■ ウェスタンブロット（WB）検出

図1
Lysates of HepG2 cells treated with Chloroquine or not were subjected to SDS PAGE followed by western blot with 80294-1-RR (P62/SQSTM1 antibody) at dilution of 1:5000 incubated at room temperature for 1.5 hours.

図2
Untreated and chloroquine treated HEK-293 cells, untreated and chloroquine treated HeLa cells were subjected to SDS PAGE followed by western blot with 81004-1-RR (LC3 antibody) at dilution of 1:5000 incubated at room temperature for 1.5 hours.

■ 免疫組織化学（IHC）染色

図3
Immunohistochemical analysis of paraffin-embedded human pancreas cancer tissue slide using 80294-1-RR (P62/SQSTM1 antibody) at dilution of 1:200 (under 10x lens). Heat mediated antigen retrieval with Tris-EDTA buffer (pH 9.0).

図4
Immunohistochemical analysis of paraffin-embedded human colon cancer tissue slide using 81004-1-RR (LC3 antibody) at dilution of 1:500 (under 10x lens). Heat mediated antigen retrieval with Tris-EDTA buffer (pH 9.0).

■ 免疫蛍光染色（IF）解析

図5
Immunofluorescent analysis of (-20°C Methanol) fixed Chloroquine treated HeLa cells using LC3 antibody (81004-1-RR, Clone: 5P12 ) at dilution of 1:1000 and CoraLite®488-Conjugated AffiniPure Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), CoraLite®594 Beta Actin antibody (CL594-66009, Clone: 2D4H5, red).

図6
Immunofluorescent analysis of (-20°C Ethanol) fixed Chloroquine treated HeLa cells using P62/SQSTM1 antibody (80294-1-RR, Clone: 1D17 ) at dilution of 1:500 and CoraLite®488-Conjugated AffiniPure Goat Anti-Rabbit IgG(H+L), CL594-Phalloidin (red).

※ エッセンシャルキットには5種類のトライアルサイズ（包装：20 UL）一次抗体が含まれます。
ターゲット：［Beclin 1、LC3、p62/SQSTM1、ATG5、LAMP1］

※ エクスパンドキットには10種類のトライアルサイズ（包装：20 UL）一次抗体が含まれます。
ターゲット：［Beclin 1、LC3、p62/SQSTM1、ATG5、LAMP1］+［ULK1、ATG16 L1、ATG12、Ubiquitin、ATG9A］

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