E-カドヘリンを含む重要なマーカータンパク質、5種類／10種類のターゲット検出用のセット品 上皮間葉転換抗体キット（EMT Antibody Kit）

上皮間葉転換抗体キット（EMT Essentials/Expanded Antibody Kit）は、上皮間葉転換（EMT：Epithelial-Mesenchymal Transition）で重要な役割を果たす因子やマーカータンパク質を検出する一次抗体が含まれるサンプラーキット（トライアル抗体パック）です。

抗体トライアルサイズ5種類が含まれる「エッセンシャル（Essentials）」または10種類が含まれる「エクスパンド（Expanded）」を選択できます。

■ 上皮間葉転換（EMT）とは?

上皮間葉転換（EMT：Epithelial-Mesenchymal Transition）とは、上皮細胞が上皮の特性を喪失するとともに、間葉系細胞の形質を獲得して遊走性（運動性）と浸潤性を獲得するプロセスです。上皮間葉転換（EMT）は、初期胚の発生過程の形態形成／器官形成で重要な現象です。また、正常組織／細胞においては、炎症に応答して創傷治癒や組織再生に働く正常な特徴として知られています。このように上皮間葉転換（EMT）は、発生生物学や細胞生物学で研究対象となる表現型である一方、大腸がん、乳がん、胃がん、黒色腫等、複数のがん種においてしばしば上昇することが報告されており、がん転移の主要な要因として疾患研究でもその重要性が高まっています。

■ 上皮間葉転換（EMT）関連分子は?

上皮間葉転換（EMT）のプロセスは、一般的にE-カドヘリン（E-cadherin）をはじめとする上皮マーカーの抑制／減少／喪失と、フィブロネクチン（Fibronectin）、N-カドヘリン（N-cadherin）、ビメンチン（Vimentin）等の間葉マーカーの増加／上昇を特徴とします。

クロ―ディン1（Claudin 1）やZO-1等のタイトジャンクション（密着接合）タンパク質の喪失も上皮間葉転換（EMT）に関連します。また、SNAILファミリータンパク質のSNAI1（SNAIL）やSNAI2（SLUG）、TWIST ファミリータンパク質のTWIST1等の転写因子の発現が上昇することで、上皮マーカー遺伝子の下方制御および間葉マーカー遺伝子の上方制御に働き、上皮表現型から間葉表現型への移行が促進されます。さらに、MMP-2やMMP-9等のマトリックスメタロプロテアーゼ（MMP）の発現も誘導され、周囲の細胞外マトリックスを分解し、形質転換細胞集団の遊走は促進されます。

上皮間葉転換（EMT）のプロセスは、がん細胞株／腫瘍組織ライセートを用いたウェスタンブロット（WB）解析や腫瘍組織切片スライドを用いた免疫組織化学（IHC）染色によって実験的に確認されます。

• 上皮間葉転換（EMT）の解析や研究で重要なターゲットを厳選
• プロテインテックで検証済み／豊富な引用実績の一次抗体
• 「エッセンシャル（5種類）」と「エクスパンド（10種類）」から選択可能
• ウェスタンブロット（WB）や免疫組織化学（IHC）染色を含む複数のアプリケーション適用
• キットに含まれる一次抗体は単品購入も可能

■ 上皮間葉転換（EMT）抗体キットの構成内容（※）

ターゲット	エッセンシャル（5種類） （品番：PK30014 ）	エクスパンド（10種類） （品番：PK30015 ）	構成品 （単品品番）	包装
E-cadherin	●	●	60335-1-Ig	20 UL
N-cadherin	●	●	66219-1-Ig	20 UL
Vimentin	●	●	80232-1-RR	20 UL
SNAI1	●	●	13099-1-AP	20 UL
MMP-2	●	●	66366-1-Ig	20 UL
Fibronectin	-	●	66042-1-Ig	20 UL
ZO-1	-	●	66452-1-Ig	20 UL
Twist1	-	●	25465-1-AP	20 UL
MMP-9	-	●	10375-2-AP	20 UL
Claudin-1	-	●	13050-1-AP	20 UL

※ キットに含まれる個別抗体の「交差種」や「適用アプリケーション」に関しては、「エッセンシャル（品番：PK30014 ）」または「エクスパンド（品番：PK30015 ）」のプロテインテック社製品ページをご参照ください。

■ ウェスタンブロット（WB）検出

図1
PC-3, MKN-45, SGC-7901 cells were subjected to SDS PAGE followed by western blot with 60335-1-Ig (E-cadherin Antibody) at dilution of 1:4000 incubated at room temperature for 1.5 hours.

図2
Various lysates were subjected to SDS PAGE followed by western blot with 80232-1-RR (Vimentin antibody) at dilution of 1:50000 incubated at room temperature for 1.5 hours.

■ 免疫組織化学（IHC）染色

図3
Immunohistochemical analysis of paraffin-embedded human breast cancer tissue slide using 60335-1-Ig (E-cadherin antibody) at dilution of 1:2000 (under 10x lens. Heat mediated antigen retrieval with Tris-EDTA buffer (pH 9.0).

図4
Immunohistochemical analysis of paraffin-embedded human stomach cancer tissue slide using 13099-1-AP (SNAI1 antibody) at dilution of 1:200 (under 10x lens). Heat mediated antigen retrieval with Tris-EDTA buffer (pH 9.0).

■ 免疫蛍光染色（IF）解析

図5
Immunofluorescent analysis of (-20°C Ethanol) fixed HepG2 cells using Vimentin antibody (80232-1-RR, Clone: 6K21 ) at dilution of 1:400 and CoraLite® 488-Conjugated AffiniPure Goat Anti-Rabbit IgG(H+L).

図6
Immunofluorescent analysis of (4% PFA) fixed human colon cancer tissue using Fibronectin antibody (66042-1-Ig, Clone: 1G10F9 ) at dilution of 1:400 and CoraLite® 488-Conjugated AffiniPure Goat Anti-Mouse IgG(H+L).

※ エッセンシャルキットには5種類のトライアルサイズ（包装：20 UL）一次抗体が含まれます。
ターゲット：［E-cadherin、N-cadherin、Vimentin、SNAI1、MMP-2］

※ エクスパンドキットには10種類のトライアルサイズ（包装：20 UL）一次抗体が含まれます。
ターゲット：［E-cadherin、N-cadherin、Vimentin、SNAI1、MMP-2］+［Fibronectin、ZO-1、Twist1、MMP-9、Claudin-1］

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