記事ID ： 45692

固定細胞内のアクチンフィラメント（F-Actin）を蛍光染色／可視化 CoraLite® 594 ファロイジン（赤）

メーカー名：Proteintech Group, Inc.

CoraLite® 594 ファロイジン（赤）（CoraLite® 594-Phalloidin (red)）は、CoraLite® 594蛍光色素（Ex/Em = 593 nm/614 nm）で標識されたファロイジン分子です。4% PFA固定細胞のアクチン染色に利用できます。

［関連商品］CoraLite® Plus 488 ファロイジン（緑）

背景

■ ファロイジンとは?

ファロイジン（Phalloidin）とは、タマゴテングタケ（Amanita phalloides、キノコの1種）から単離された天然由来分子であり、細胞骨格を構成するタンパク質構造の1つであるアクチンフィラメント（F-Actin、Filamentous actin、線維状アクチン）に対して高い親和性で特異的に結合します［PMID：291981 外部リンク］。そのため蛍光色素標識ファロイジン分子は、細胞骨格研究において培養細胞（4% PFA固定／透過処理済み細胞）に添加されることで、蛍光顕微鏡下でのアクチンフィラメント構造の可視化／観察に利用されています。

［参考ブログ記事］細胞骨格の高度な適応性／特徴
［参考ブログ記事］Actin-Chromobody®：アクチン動態の可視化
［参考ブログ記事］オルガネラマーカーガイド
［参考特集記事］細胞小器官マーカー

特長

蛍光標識済みファロイジン
アクチンフィラメント（F-actin）を特異的に染色・可視化
4%パラホルムアルデヒド（4％ PFA）固定／透過処理済み培養細胞に適用可能
優れた明るさを示すCoraLite®／CoraLite® Plus蛍光色素標識体として提供
安定な凍結乾燥品としてお届け
1バイアル300テスト^※入り

※ 培養細胞への添加量（スケール）によって、1包装（300 TEST）で染色可能な最大サンプル数は異なります。

その他

• ファロイジンに標識されている蛍光色素

本製品（品番：PF00003）には蛍光色素の1つ「CoraLite®（コーラライト）594（Ex/Em = 593 nm/614 nm）」が標識されています。CoraLite®（コーラライト）色素はプロテインテック独自の蛍光色素であり、優れた明るさと高い光安定性を示します。各色素の蛍光波長を示す「蛍光スペクトルビューアー（CoraLite® 594／CoraLite® Plus 488）外部リンク」もご参照ください。

［参考：CoraLite®蛍光色素について］CoraLite®（コーラライト）／CoraLite® Plus（コーラライトプラス）蛍光色素

使用方法

■ 再構成手順

凍結乾燥品としてバイアルに封入されているファロイジン（包装：300 TEST^※）を1.5mLの無菌水に溶解して再構成します。再構成後の溶液をストック溶液（200 TEST/mL、5 µL/TEST^※）として、ワーキング溶液のマスターミックスを都度調製してください。ストック溶液は遮光条件で保管してください。

※ 培養細胞への添加量（スケール）によって、1包装（300 TEST）で染色可能な最大サンプル数は異なります。

■ 染色手順

細胞をPBSで3回洗浄します。
洗浄後、細胞に4%パラホルムアルデヒド溶液（4％ PFA in PBS）を添加し、氷上で15分間固定します。
注：メタノールによる固定法は、固定中にアクチン構造を崩壊させるためファロイジンを用いたアクチン染色には適しません。
固定後、細胞をPBSで3回洗浄します。
固定細胞に0.2% Triton X-100（in PBS）を添加し、室温で5分間透過処理を実施します。
透過処理後、細胞をPBSで3回洗浄します。
あらかじめ調製したファロイジンのストック溶液1～5 µLをPBSバッファー200 µLに希釈し、アクチン染色用ファロイジンのマスターミックスとして調製します。複数サンプルを染色する場合、適切にスケールアップしてください。
サンプルにアクチン染色用ファロイジンのマスターミックス200 µLを添加し、遮光して室温で20分間インキュベートします。
染色後、細胞をPBSで3回洗浄します。
蛍光顕微鏡でサンプルを観察します。