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ジアシルグリセロールキナーゼζは、B細胞抗原受容体に依存するERKシグナル伝達の活性化を制限し、早期抗体応答を阻害する

Diacylglycerol Kinase ζLimits B Cell Antigen Receptor–Dependent Activation of ERK Signaling to Inhibit Early Antibody Responses

Research Article

Sci. Signal., 15 October 2013
Vol. 6, Issue 297, p. ra91
[DOI: 10.1126/scisignal.2004189]

Matthew L. Wheeler1,2*, Matthew B. Dong1, Robert Brink3, Xiao-Ping Zhong4, and Anthony L. DeFranco1†

1 Department of Microbiology and Immunology, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
2 Biomedical Sciences Graduate Program, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
3 Immunology Program, Garvan Institute of Medical Research, Darlinghurst, New South Wales 2010, Australia.
4 Departments of Pediatrics and Immunology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.

* Present address: Inflammatory Bowel and Immunobiology Research Institute, Cedars-Sinai Medical Center, Los Angeles, CA 90048, USA.

† Corresponding author. E-mail: anthony.defranco@ucsf.edu

要約

B細胞抗原受容体(BCR)下流のシグナル伝達は、細胞が抗原−受容体相互作用の強度と持続時間を正確に測り、適切に応答することができるように、厳密に制御されている。われわれは、DAGキナーゼ(DGK)ファミリーのメンバーによるセカンドメッセンジャージアシルグリセロール(DAG)の代謝が、BCR下流におけるDAGによるシグナル伝達強度の調節に役割を果たすかどうかを検討した。DGKζの不在下では、Ras細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)経路の活性化として測定されたBCRシグナル伝達の閾値は、成熟濾胞性B細胞で顕著に低下し、その結果、in vitroおよびin vivoで抗原に対する応答が亢進した。DGKζによりDAGシグナル伝達を阻害すると、T細胞依存性抗原に加え、T細胞に依存しない2型抗原に応答して早期に産生される抗体分泌細胞の数が制限された。さらに、DGKζ欠損の影響は、T細胞依存性の抗体応答においてBCRの抗原に対する親和性を増加させた場合の影響とよく似ていた。これらの結果から、DAGシグナル伝達の強度は、抗原に対するBCRの親和性を免疫応答の早期の段階に産生される抗体の量に翻訳するために重要であることが示唆される。

M. L. Wheeler, M. B. Dong, R. Brink, X.-P. Zhong, A. L. DeFranco, Diacylglycerol Kinase ζLimits B Cell Antigen Receptor–Dependent Activation of ERK Signaling to Inhibit Early Antibody Responses. Sci. Signal. 6, ra91 (2013).

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