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収縮時の平滑筋への電位依存性Ca2+流入は細動脈における内皮によるフィードバック血管拡張を促進する

Voltage-dependent Ca2+ entry into smooth muscle during contraction promotes endothelium-mediated feedback vasodilation in arterioles

Research Article

Sci. Signal. 04 Jul 2017:
Vol. 10, Issue 486, eaal3806
DOI: 10.1126/scisignal.aal3806

Christopher J. Garland*, Pooneh Bagher*,†, Chloe Powell, Xi Ye, Hamish A. L. Lemmey, Lyudmyla Borysova, and Kim A. Dora

Department of Pharmacology, University of Oxford, Mansfield Road, Oxford OX1 3QT, UK.

‡ Corresponding author. Email: kim.dora@pharm.ox.ac.uk

* Joint first authors.

† Present address: Department of Medical Physiology, College of Medicine, Texas A&M University Health Science Center, 702 Southwest H.K. Dodgen Loop, Temple, TX 76504, USA.

要約
血管平滑筋収縮は、内皮に媒介されるフィードバック拡張により抑制される。骨格筋細動脈において、このフィードバックは、平滑筋からギャップ結合を通り内皮細胞へと通過するCa2+シグナルによって活性化されうる。その内皮細胞は、内弾性板の孔を通して突き出し、血管平滑筋細胞と接触している。Ca2+またはイノシトール三リン酸(IP3)のいずれかが細胞間シグナルを与えうると仮定されるが、IP3の拡散が原因であると一般には考えられている。われわれは、血管平滑筋におけるL型電位依存性Ca2+チャネル(VDCC)を介したCa2+流入が、内弾性板の孔と並ぶ位置を通って内皮へ通過し、その量は内皮細胞のCa2+シグナル伝達を活性化するのに十分であるという証拠を提供する。IP3受容体(IP3R)が遮断された内皮細胞では、VDCC駆動性のCa2+事象は一過的であり、内弾性板に突き出して血管平滑筋細胞に接触する内皮に局在していた。IP3Rが遮断されていない内皮細胞では、内皮細胞のVDCC駆動性Ca2+事象が増幅され、伝搬波を形成した。これらの波は、電圧非感受性中間コンダクタンスCa2+活性化K+(IKCa)チャネルを活性化し、それにより血管収縮を効果的に抑制し、血管運動と呼ばれる収縮と拡張のサイクルを可能にするフィードバックを提供した。したがって、血管平滑筋脱分極を刺激するアゴニストは、内皮細胞にCa2+を提供し、組織血流を保護するフィードバック回路を活性化する。

Citation: C. J. Garland, P. Bagher, C. Powell, X. Ye, H. A.L. Lemmey, L. Borysova, K. A. Dora, Voltage-dependent Ca2+ entry into smooth muscle during contraction promotes endotheliummediated feedback vasodilation in arterioles. Sci. Signal. 10, eaal3806 (2017).

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