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抗原親和性がT細胞活性化におけるERKパルスの頻度を調節する
Antigen affinity modulates ERK pulsing frequency during T cell activation

SCIENCE SIGNALING
13 Jan 2026 Vol 19, Issue 920
DOI: 10.1126/scisignal.adw3709
Vera-Marie E. Dunlock and Sergi Regot*
Department of Molecular Biology and Genetics, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
* Corresponding author. Email: sregot@jhmi.edu
Editor's summary
T細胞は、抗原のT細胞受容体(TCR)との相互作用の安定性に基づいて抗原を識別する。抗原識別におけるTCR下流のシグナル伝達の時間的パターンを明らかにするために、DunlockとRegotは、抗原刺激を受けたT細胞を用いて、マイトジェン活性化プロテインキナーゼシグナル伝達のバイオセンサーのリアルタイム単一細胞解析を実施した。キナーゼERKによるシグナル伝達はパルス状であり、その頻度と振幅はそれぞれキナーゼのLCKとMEKによって決定された。さらに、2つのMAP3Kファミリーキナーゼが、アダプターLATの凝縮体の形成および維持を刺激し、ERK活性化のためのハブを形成した。総合すると、これらのデータは、累積した抗原依存性ERKシグナル伝達がT細胞活性化を引き起こす機構に関する洞察をもたらすものである。—John F. Foley
要約
T細胞は、T細胞受容体(TCR)と抗原の相互作用の経時安定性に依存して厳密な抗原識別を実行する。時間が抗原識別の中心となることから、われわれは、TCR下流のシグナル伝達の時間的パターンをよりよく理解するために、制御されたTCR-抗原系を用いたリアルタイム単一細胞イメージングにより、抗原親和性に応じた細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)シグナル伝達のダイナミクスを明らかにした。中間親和性の抗原がさまざまな頻度でパルス状のERK活性を引き起こし、T細胞活性化はERK活性の累積量と相関することが見出された。機構的には、ERKパルスの頻度は、細胞膜でのSrcファミリーキナーゼLCKの活性速度に依存する一方、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)キナーゼ(MEK)が、ERKシグナル伝達の振幅を調節することがわかった。さらに、T細胞におけるERK活性のダイナミクスは、2つの上流MAP3K群のメンバーである混合系統キナーゼ(MLK)およびRAFに依存し、これらのキナーゼは、膜貫通アダプター分子LATを含有する上流シグナル伝達凝縮体の形成を促進または維持する異なる役割を果たすことが示された。総合すると、以上の結果は、TCRシグナル伝達活性の時間空間的構成と、それらのT細胞活性化における役割に関する洞察を明らかにしている。
2026年1月13日号






