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TH1細胞モデル内のインターフェロンγ、インターロイキン12、および腫瘍壊死因子のシグナル伝達経路の間のクロストークの定量化
Quantifying Crosstalk Among Interferon-γ, Interleukin-12, and Tumor Necrosis Factor Signaling Pathways Within a TH1 Cell Model
Sci. Signal., 17 April 2012
Vol. 5, Issue 220, p. ra32
[DOI: 10.1126/scisignal.2002657]
David J. Klinke II1,2,3*, Ning Cheng1, and Emily Chambers3
1 Department of Chemical Engineering, West Virginia University, Post Office Box 6102, Morgantown, WV 26506, USA.
2 Mary Babb Randolph Cancer Center, West Virginia University, Morgantown, WV 26506, USA.
3 Department of Immunology, Microbiology, and Cell Biology, West Virginia University, Morgantown, WV 26506, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: david.klinke@mail.wvu.edu
要約:ヘルパーT(TH)細胞は、組織の微小環境に存在する生化学的な手掛かりを統合し、免疫応答を調整するサイトカインを産生する。これまでの発見から、TH細胞がこのような生化学的情報をどのように処理するのかに関する定性的な理解が得られている。しかし、これらの記述が特定の細胞種にどの程度うまく適用されるのかを定量化する方法はないので、免疫応答についてのわれわれの知識を、ある生物系から別の生物系へと翻訳する能力は限られている。われわれは、マウスTH1において、細胞モデルに基づく推測手法と定量的なフローサイトメトリー解析を用いて、自然免疫と獲得免疫を結びつけるサイトカインであるインターロイキン12(IL-12)に応答するシグナル伝達ネットワーク内で推定されるさまざまな分枝の相対的な寄与を決定した。TH1細胞のIL-12に対する応答は、現在と過去の両方の曝露に依存し、シグナルトランスデューサーおよび転写アクチベーター1(STAT1)の直接的な活性化を介する正のフィードバック機構に関与することから、ヒステリシス(履歴現象)を示した。IL-12に対する用量反応曲線のヒステリシスは、刺激中止後にサイトカイン分泌を維持することによって一過性の「記憶」を生んだ。まとめると、今回の実験的アプローチと計算論的アプローチの併用は、細胞が組織内微小環境に存在する生化学的な手掛かりをどのように処理し、どのように作用するのかをよりよく理解する上で、モデルに基づく推測がいかに用いられうるかを例証している。
D. J. Klinke, II, N. Cheng, E. Chambers, Quantifying Crosstalk Among Interferon-γ, Interleukin-12, and Tumor Necrosis Factor Signaling Pathways Within a TH1 Cell Model. Sci. Signal. 5, ra32 (2012).