cGAMPを通す

Channeling cGAMP

Editor's Choice

SCIENCE SIGNALING
8 Feb 2022 Vol 15, Issue 720
DOI: 10.1126/scisignal.abo4600

JOHN F. FOLEY

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: abaek@aaas.org

A. R. Concepcion, L. E. Wagner 2nd, J. Zhu, A. Y. Tao, J. Yang, A. Khodadadi-Jamayran, Y.-H. Wang, M. Liu, R. E. Rose, D. R. Jones, W. A. Coetzee, D. I. Yule, S. Feske, The volume-regulated anion channel LRRC8C suppresses T cell function by regulating cyclic dinucleotide transport and STING-p53 signaling. Nat. Immunol. 23, 287-302 (2022).
CROSSREF  PUBMED  GOOGLE SCHOLAR

アニオンチャネル構成成分LRRC8Cを介して取り込まれる環状ジヌクレオチドcGAMPが、T細胞の機能を抑制する。

容積調節性アニオンチャネル(VRAC)は、ロイシンリッチリピート含有タンパク質8(LRRC8)ファミリーのメンバーで構成されており、低浸透圧性膨張に応答して細胞容積を調節する。VRACは、塩化物イオンを通すだけでなく、細胞質DNAの検出後にcGASによって生成される2'3′ cGAMPなどの、環状ジヌクレオチドを輸送する。マクロファージにおいて、cGAMPはSTING経路を活性化し、I型インターフェロン産生と抗ウイルス免疫を刺激する。Concepcionらは、VRAC構成成分のLRRC8CがマウスCD4+ T細胞に発現しており、これがVRACの機能に不可欠で、T細胞受容体(TCR)刺激に応答して存在量が増加することを示した。TCR刺激を受けた野生型CD4+ T細胞を2'3′ cGAMPで処理すると、T細胞の増殖が減少し、これはLRRC8Cに依存した。これらの細胞ではSTING活性化の亢進も認められ、その結果p53の存在量と活性が上昇した。一方、TCR刺激を受けたLRRC8C欠損細胞を2'3′ cGAMPで処理すると、細胞周期進行と増殖が増強されるとともに、総およびリン酸化p53タンパク質の量が減少した。野生型T細胞におけるSTING活性化により、ストア作動性Ca2+流入とCa2+依存性サイトカインの産生が減少した。多発性硬化症のマウスモデルでは、LRRC8Cの欠損により、野生型マウスと比較して、CNSにおけるT細胞介在性の炎症と疾患重症度が増強された一方、インフルエンザウイルスに感染したマウスでは、LRRC8Cの欠損によりT細胞の増殖と活性が増加し、抗ウイルス応答が増強された。総合すると、これらの結果から、VRAC構成成分LRRC8CはcGAMPのT細胞への取り込みを仲介し、T細胞の増殖と機能をSTINGおよびp53依存的に抑制することが示唆される。関連する解説記事でChuとQiuが論じているように、p53シグナル伝達がSTINGによって活性化される仕組みや、p53が続いてT細胞におけるストア作動性Ca2+流入を調節する仕組みを明らかにするために、さらなる研究が必要である。

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