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Ras上のユビキチン:犯罪の監視者か、それとも共犯者か

Ubiquitin on Ras: Warden or Partner in Crime?

Perspectives

Sci. Signal., 8 March 2011
Vol. 4, Issue 163, p. pe12
[DOI: 10.1126/scisignal.2001874]

Cathie M. Pfleger*

Department of Oncological Sciences, The Mount Sinai School of Medicine, New York, NY 10029, USA.

* E-mail, cathie.pfleger@mssm.edu

要約:Rasを介するシグナル伝達は、細胞外シグナルを細胞の増殖や生存、成長、分化などの生物学的応答に変換する。このような理由から、Rasの調節不全は細胞レベルおよび個体レベルで著しい影響を及ぼす可能性がある。Rasのシグナル伝達を亢進させる生殖細胞系列の変異は発生を阻害するのに対して、体細胞におけるRasの変異による活性化はがんの原因となりうる。したがって、Rasを正または負に調節するさらなる機構を同定することが、ヒト疾患の治療に大きな意味をもつと考えられる。新たな研究報告によって、K-Rasのモノユビキチン化が、Rasシグナル伝達を増強するこれまで知られていなかった手段として同定されている。

C. M. Pfleger, Ubiquitin on Ras: Warden or Partner in Crime? Sci. Signal. 4, pe12 (2011).

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2011年3月8日号

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