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CD69:TH17細胞誘導性の炎症応答に関する予想外の調節因子
CD69: An Unexpected Regulator of TH 17 Cell-Driven Inflammatory Responses
Sci. Signal., 22 March 2011
Vol. 4, Issue 165, p. pe14
[DOI: 10.1126/scisignal.2001825]
Pilar Martín1* and Francisco Sánchez-Madrid1,2*
1 Department of Vascular Biology and Inflammation, Fundación Centro Nacional de Investigaciones Cardiovasculares Carlos III (CNIC), 28029 Madrid, Spain.
2 Servicio de Inmunología, Hospital de La Princesa, Universidad Autónoma de Madrid, 28006 Madrid, Spain.
* Corresponding authors. E-mail, pmartinf@cnic.es (P.M.); fsanchez.hlpr@salud.madrid.org (F.S.-M.)
要約:C型レクチン受容体CD69を欠損するマウスは、増悪型関節炎、接触性皮膚炎、アレルギー性喘息および自己免疫性心筋炎を発症する。これらの疾患における免疫応答は、主に、ヘルパーT(TH)17細胞および制御性T細胞と呼ばれるTエフェクター細胞の炎症性サブセット間のバランスによって媒介されるので、これらの知見はTリンパ球のTH17系統への分化を調節するというこれまで認識されていなかったCD69の調節性の役割を示すものであり、制御性T細胞の機能における役割を示唆する。CD69はTH17細胞の分化を抑制するJak3-シグナル伝達転写活性化因子5(Stat5)シグナル伝達経路の活性化を促進するので、CD69とTH17応答の調節の間の機構的関連が示唆される。このような証拠は、自己免疫およびアレルギー性疾患の治療標的としてのCD69の可能性を裏付けるものであり、次々と現れるCD69と制御性T細胞サブセットを関連付ける証拠とも一致している。
P. Martín, F. Sánchez-Madrid, CD69: An Unexpected Regulator of TH17 Cell-Driven Inflammatory Responses. Sci. Signal. 4, pe14 (2011).