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BRAF阻害に対するがんの応答によってがんのシステム生物学の重要性が明らかになる

The Response of Cancers to BRAF Inhibition Underscores the Importance of Cancer Systems Biology

Perspectives

Sci. Signal., 16 October 2012
Vol. 5, Issue 246, p. pe46
[DOI: 10.1126/scisignal.2003354]

Edward C. Stites*†

Clinical Translational Research Division, The Translational Genomics Research Institute, Phoenix, AZ 85004, USA.

† Present address: Department of Pathology and Immunology, Washington University School of Medicine, 660 South Euclid Avenue, St. Louis, MO 63110, USA.

* Corresponding author. E-mail: estites@tgen.org

要約:BRAF阻害薬のベムラフェニブ(vemurafenib)は、黒色腫患者に対する重要な治療選択肢となっている。黒色腫患者の大多数は、悪性腫瘍を進行させるBRAF(V600E)変異を有する。しかし、同じ薬物がBRAF(V600E)変異を有する結腸がん患者には通常は効果を示さない。最近の研究において、ベムラフェニブによるBRAF(V600E)の阻害は、上皮増殖因子受容体(EGFR)経路への負のフィードバックを低下させること、および臨床的反応の差は、これら2種類のがんに存在するEGFRの量の差に起因することが示唆されている。このフィードバックシグナル伝達を同定した実験研究は、機能的ゲノム手法と焦点を絞った仮説主導の細胞生物学と分子生物学とが見事に融合したものであった。これらの研究の結果から、BRAF(V600E)によって誘導される結腸がんに対するベムラフェニブとEGFR阻害薬の両方を用いた併用治療に、臨床的評価の価値があることが示唆されている。

E. C. Stites, The Response of Cancers to BRAF Inhibition Underscores the Importance of Cancer Systems Biology. Sci. Signal. 5, pe46 (2012).

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