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アデノシン2A受容体はミクログリアによるエフェロサイトーシスを駆動して脳卒中後の白質修復と機能回復を加速する
Adenosine 2A receptor drives microglial efferocytosis to accelerate white matter repair and functional recovery after stroke

SCIENCE SIGNALING
4 Aug 2026 Vol 19, Issue 949
DOI: 10.1126/scisignal.aea4402
Yan Deng1, †, Qian He1, †, Bolin Yao1, Xiang Chen2, Guangli Cheng1, Minhua Xu3, Jiachun Hu4, Luis Graca5, Xiao Zhu3, *, Xiao-Yong Zhang6, *, Yan You4, *, Cong Li1, 7, 8, 9, *
- 1 Department of Pharmaceutics, School of Pharmaceutical Sciences, Key Laboratory of Smart Drug Delivery, Ministry of Education, Fudan University, Shanghai 201203, China.
- 2 Institute of Science and Technology for Brain-Inspired Intelligence, MOE Key Laboratory of Computational Neuroscience and Brain-Inspired Intelligence, Fudan University, Shanghai 200433, China.
- 3 Department of Clinical Pharmacy and Pharmacy Administration, School of Pharmaceutical Sciences, Fudan University, Shanghai 201203, China.
- 4 Department of Pharmacology, School of Pharmaceutical Sciences, Fudan University, Shanghai 201203, China.
- 5 Gulbenkian Institute for Molecular Medicine, Lisbon 1649-003, Portugal.
- 6 Department of Radiology and Department of Medical Imaging Technology, Ruijin Hospital, College of Health Science and Technology, Shanghai Jiao Tong University School of Medicine, Shanghai 200025, China.
- 7 Innovation Center for New Drug Development of Immune Inflammatory Diseases, Ministry of Education, Fudan University, Shanghai 200433, China.
- 8 Zhongshan Hospital, Shanghai Fifth People’s Hospital, Fudan University, Shanghai 200240, China.
- 9 State Key Laboratory of Medical Neurobiology and MOE Frontiers Center for Brain Science, Shanghai 200032, China.
- † These authors contributed equally to this work.
- * Corresponding author. Email: xiaozhu@fudan.edu.cn (X.Zhu.); zhangxiaoyong@sjtu.edu.cn (X.Zhang.); yyou@fudan.edu.cn (Y.Y.); congli@fudan.edu.cn (C.L.)
Editor’s summary
脳卒中は細胞デブリやミエリンデブリを生じさせ、これらは脳の常在性貪食細胞であるミクログリアによるエフェロサイトーシスと呼ばれる過程によって除去される。Dengらは、ミクログリアのアデノシン2A受容体(A2AR)が効率的なエフェロサイトーシスにとって重要であることを明らかにした。ミクログリア特異的なA2AR欠損は、マウスにおいて実験的に誘発された脳卒中後の再ミエリン形成を阻害したが、初期損傷の程度には影響しなかった。逆に、A2ARアゴニスト含有ミセルは脳卒中後の再ミエリン形成、認知機能、運動回復を改善したが、ミクログリアを枯渇させた場合やミクログリアのA2ARを欠損させた場合には改善が認められなかった。これらの結果は、脳卒中後の白質修復を促進し、神経学的転帰を改善するための薬理学的標的となりうる候補としてミクログリアのA2ARを同定するものである。—Wei Wong
要約
再灌流療法は、虚血性脳卒中後の閉塞した脳動脈への血流を効果的に回復させるが、多くの患者で持続性の白質損傷を発生させ、長期的な神経学的障害の主な要因になっている。現在、脳卒中後の機能回復を促進するために白質修復を特異的に標的とする承認済みの臨床的治療法はほとんどない。われわれはマウスにおいて、ミクログリアのアデノシン2A受容体(A2AR)が虚血性損傷後の自発性の白質再生に不可欠であることを示した。ミクログリアのA2ARを欠失させると、急性虚血性損傷の重症度に変化はみられず、慢性期の修復が特異的に阻害された。再灌流の初期段階に血液脳関門透過性アゴニストミセルによってA2ARシグナル伝達を薬理学的に活性化させると、白質の構造的修復が促進され、マウスの認知機能と感覚運動機能に持続的改善がみられた。機構的には、A2ARの活性化によって、損傷を受けた白質内のアポトーシス細胞やミエリンデブリのミクログリアによるエフェロサイトーシス(貪食除去)が促進され、それによってネクローシスに誘導される二次的な炎症が抑制され、神経栄養因子の放出が促進され、オリゴデンドロサイト前駆細胞の分化と再ミエリン形成を促す修復的な微小環境が確立される。さらに、A2ARシグナル伝達は、HIF1α依存的な代謝リプログラミングに関与して解糖系を亢進させ、それによって効率的かつ持続的なエフェロサイトーシスに必要なエネルギーを供給する。まとめると、これらの知見は、ミクログリアによる白質修復のきわめて重要な制御因子として、また、脳卒中後の再生を促進するための有望な治療標的として、A2ARを同定するものである。
2026年8月4日号






