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S1Pはリン酸化を模倣してPDK1非依存性のaPKC活性化を媒介し、反対の下流作用を及ぼす
S1P mimics phosphorylation to mediate PDK1-independent activation of aPKC with an opposing downstream effect

SCIENCE SIGNALING
29 Sep 2026 Vol 19, Issue 957
DOI: 10.1126/scisignal.adw7297
Taketoshi Kajimoto1, 2, *, Ambuj Srivastava3, Jing Zhang4, Taro Okada2, Jing Yang4, Susan S. Taylor1, Rommie E. Amaro3, Alexandra C. Newton1, *
- 1 Department of Pharmacology, University of California at San Diego, La Jolla, CA 92037, USA.
- 2 Division of Biochemistry, Department of Biochemistry and Molecular Biology, Graduate School of Medicine, Kobe University, Kobe 650-0017, Japan.
- 3 Department of Molecular Biology, University of California at San Diego, La Jolla, CA 92037, USA.
- 4 Department of Pharmacology, Moores Cancer Center, University of California at San Diego, La Jolla, CA 92037, USA.
- * Corresponding author. Email: anewton@health.ucsd.edu (A.C.N.); tkajimot@med.kobe-u.ac.jp (T.K.)
Editor’s summary
非定型プロテインキナーゼC(aPKC)ファミリーは、異なる状況において相反する機能を有する。キナーゼPDK1によるaPKCのリン酸化と、リン脂質S1PのaPKCとの結合は、いずれもaPKCを活性化する。Kajimotoらは、S1Pのリン酸基は、PDK1が結合させるリン酸基と同じ部位に結合するが、反対の下流作用を誘導することを見出した。S1Pの結合はaPKCの基礎活性を促進し、アポトーシスを阻害した一方、PDK1依存性のリン酸化はS1Pの結合を妨げ、アポトーシスを促進した。これらの結果は、S1P-aPKCの相互作用はリン酸化による制御を生化学的に模倣しているが、その生物学的作用は異なることを示しており、これによってaPKCの対照的な役割が説明される可能性がある。—Leslie K. Ferrarelli
要約
非定型プロテインキナーゼC(aPKC)アイソザイムは、発がんおよび腫瘍抑制シグナル伝達経路において相反する役割を果たす。これらのキナーゼは、ホスホイノシチド依存性キナーゼ1(PDK1)によって活性化されるだけでなく、脂質セカンドメッセンジャーであるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)の直接の結合によっても活性化される。今回われわれは、S1PとPDK1が、共通のスイッチ機構によってaPKCの相互排他的な活性化をもたらすことを見出した。In silicoドッキング、分子動力学、および生化学的アプローチによって、S1Pのリン酸基は、活性化ループにおいてPDK1により付加されたThr残基へのリン酸基と同じ位置を占め、触媒作用のための活性部位を構築することが明らかになった。いずれのリン酸基も、活性化ループとの相互作用は、保存されたArgおよびLys残基によって調整された。aPKCがリン酸化されると、これらの残基は活性化ループを、S1Pの結合がエネルギー的に妨げられる形に配置した。細胞研究では、S1PはaPKCの基礎シグナル伝達を持続させ、それによってアポトーシスを抑制することが明らかになった。一方、PDK1依存的なリン酸化はアポトーシスを促進した。これらのデータは、リガンドが翻訳後修飾を模倣する際の制御機構を特定するものであり、aPKCが、細胞質S1P経路を介した脂質セカンドメッセンジャーシグナル伝達と、古典的PDK1シグナル伝達の交差点にあることを明らかにしている。
2026年9月29日号






