Haloタグ(HaloTag®)とは?
Haloタグ(HaloTag®)とは、Rhodococcus rhodochrous(ロドコッカス・ロドクラウス)のハロアルカンデハロゲナーゼ(haloalkane dehalogenase)をコードするDhaA遺伝子に由来する、297アミノ酸残基(約33kDa)からなるタンパク質タグです。Haloタグは、外因的に添加される合成リガンド(基質)と共有結合を触媒する「自己標識化タンパク質タグ(self-labeling protein tag)」として知られており、蛍光色素等で標識された「クロロアルカン(chloroalkane)」基質を含むリンカーをリガンドに利用して、不可逆的に結合させることができます。Haloタグは、研究対象とするタンパク質と融合させることで、融合タンパク質の細胞内解析や生化学的解析に利用できます。また、Haloタグは生細胞イメージングでも有用であることが報告されています[PMID:30745239
]。Haloタグは、一度リガンドと複合体を形成すると、触媒中心が塞がれるため、それ以降に他のリガンドは結合することができなくなります。したがって、リガンド結合後のHaloタグ融合タンパク質の検出や免疫沈降(IP)を実施する場合は、リガンドの代わりに、塞がれた触媒中心の外部領域に結合する抗体やVHH抗体(別名:Nanobody®)が使用されます。
■ VHH抗体とは?
VHH抗体は、Nanobody® としても知られるラクダ科動物の「重鎖抗体(Heavy chain-only antibody)」由来の抗原結合ドメインです。一般的な抗体と比べて、10分の1程度とサイズが小さく、高い特異性と親和性を示すことで知られます。

図. ラクダ科動物のユニークな重鎖抗体・VHH

図. 従来の1/10ほどの分子量
■ Nano-Trapとは?
Nano-Trap(ナノトラップ)は、迅速かつ効率的な免疫沈降(IP)に最適です。各種担体(アガロースビーズ、磁性アガロースビーズ、磁気ビーズ)に結合したVHH抗体で構成されます。
各種ビーズ上に結合したVHH抗体は、ビーズ上に残存し、SDSサンプルバッファー中で溶出されません。したがって、従来のIP解析でしばしば問題となるIP抗体由来の軽鎖または重鎖バンドの干渉が無く、シングルバンドの精製を可能とします。さらに、ウエスタンブロットに使用する一次抗体/二次抗体を自由に選択できます。
■ Nano-Trapのアプリケーション
- IP(免疫沈降)/ CoIP(共免疫沈降)
- ChIP(クロマチン免疫沈降)/ RIP(RNA免疫沈降)
- 質量分析(Mass spectrometry)
- On-bead enzyme assay

図. Nano-Trap(左)と従来型であるProtein A/G結合IgG抗体(右)を用いた免疫沈降の概要。Nano-Trapでは、単一のバンドを得られ、従来型とは異なり軽鎖/重鎖由来のバンドは観察されません。
■ Proteintech Group(プロテインテック)とは?
Proteintech Group, Inc.(プロテインテック)社は、2001年に設立された抗体製造メーカーです。現在までに、米国本社の他、英国、中国、ドイツ、フランス、シンガポール等で支社を展開し、各国で様々なマーカー抗体、タンパク質研究用試薬を供給しています。国内におけるテクニカルサポート等は、2016年より株式会社プロテインテック・ジャパン(www.ptglab.co.jp
)が担当しています。
- 全てオリジナル商品:自社ラボで製造、検証済み(購入後1年間の交換保証付き)
- 数多くの評判:国内・海外における累計130,300報以上の論文使用実績(2025年4月現在)
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