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がん
高繊維食ががんを予防する理由

Cancer
Why a High-Fiber Diet Prevents Cancer

Editor's Choice

Sci. Signal., 13 January 2015
Vol. 8, Issue 359, p. ec8
DOI: 10.1126/scisignal.aaa6561

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

D. R. Donohoe, D. Holley, L. B. Collins, S. A. Montgomery, A. C. Whitmore, A. Hillhouse, K. P. Curry, S. W. Renner, A. Greenwalt, E. P. Ryan, V. Godfrey, M. T. Heise, D. S. Threadgill, A. Han, J. A. Swenberg, D. W. Threadgill, S. J. Bultman, A gnotobiotic mouse model demonstrates that dietary fiber protects against colorectal tumorigenesis in a microbiota- and butyrate-dependent manner. Cancer Discov. 4, 1387–1397 (2015). [PubMed]

C. Sebastián and R. Mostoslavsky, Untangling the fiber yarn: Butyrate feeds Warburg to suppress colorectal cancer. Cancer Discov. 4, 1368–1370 (2015). [PubMed]

要約 食物繊維の多い食事は結腸の健康を促進する。腸内共生細菌が結腸がんを防いでいるのかもしれない。細菌のButyrivibrio fibrisolvensは、繊維を酪酸などの短鎖脂肪酸へと発酵させる。酪酸は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害物質であり、遺伝子発現のエピジェネティックな調節において機能を果たす。Donohoeらは、腸内細菌叢が厳密に調節されるように操作された近交系マウスを用いて、結腸がんにおける高繊維食と腸内細菌叢の機構的な関連を調べた(SebastiánおよびMostoslavskyも参照)。B. fibrisolvensを定着させたマウスに高繊維食を与えた場合には、低繊維食を与えられたマウス、代謝的に欠損のある細菌株を定着させたマウス、または細菌叢の不足しているマウスに比べて、結腸管腔内の酪酸量が増加し、発がん物質に曝露させたときに発症する結腸腫瘍がより少なく、より小さく、進行度もより遅れていた。結腸内の酪酸を増加させるためにトリブチリンを添加した栄養強化食を与えられたマウスも同様に、化学物質に誘発される結腸がんの発症から保護された。HDACの阻害に加えて、酪酸は脂肪酸の一種として結腸上皮細胞のエネルギー源となっているが、結腸がん細胞では、エネルギー源がグルコースの燃焼へと代謝的に移行している。マウス結腸腫瘍では、隣接する正常な結腸細胞に比べて、グルコース代謝のマーカー量と細胞内酪酸濃度が増加していたことから、がん細胞では酪酸が効率的に代謝されていないことが示唆される。組織切片の分析からは、高繊維食を与えられたB. fibrisolvens定着マウスの腫瘍では、対照マウスの腫瘍または隣接する正常な結腸上皮の腫瘍に比べて、ヒストンH3のアセチル化とアポトーシス促進性遺伝子の発現が亢進され、アポトーシスのマーカー量が増加していることが明らかになった。ヒト組織の場合、結腸直腸腺がんでは隣接する正常粘膜に比べて、酪酸量とアセチル化ヒストンH3量が増加していた。これらの知見は、線維が腸内の細菌発酵とがん細胞の代謝変化を通じて結腸がん細胞の生存を選択的に抑制していることを示している。

L. K. Ferrarelli, Why a High-Fiber Diet Prevents Cancer. Sci. Signal. 8, ec8 (2015).

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