MAPKフィードバックは酵母における調節可能なストレス適応のスイッチとタイマーをコードする

Sci. Signal., 13 January 2015
Vol. 8, Issue 359, p. ra5
DOI: 10.1126/scisignal.2005774

Justin G. English¹, James P. Shellhammer¹, Michael Malahe², Patrick C. McCarter³, Timothy C. Elston¹, and Henrik G. Dohlman^1,4,*

¹ Department of Pharmacology, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
² Department of Mathematics, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
³ Curriculum in Bioinformatics and Computational Biology, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
⁴ Department of Biochemistry and Biophysics, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.

* Corresponding author. E-mail: hdohlman@med.unc.edu

要約 シグナル伝達経路は、スイッチまたは可変抵抗器として働き、一定の細胞刺激に対して二元的または段階的な反応を生みだすことができる。われわれは、単一のシグナル伝達経路がスイッチと可変抵抗器を同時にコードし得るかどうかを評価した。われわれは、Hog1キナーゼが二股の細胞反応を媒介することを見出した。浸透圧ストレスに対する適応の活性化およびコミットメントはスイッチ様であるのに対し、タンパク質惹起とこのコミットメントの解消は段階的である。実験、バイオインフォマティクス解析、および計算モデリングを通して、段階的な回復が、フィードバックリン酸化と、時差があり集団全体にわたって変わりやすい遺伝子惹起プログラムを通してコードされることを明らかにした。このスイッチから可変抵抗器へのシグナル伝達機構は、幅広いインプットが"包括的な"反応を生み出し、それが後に調節されて個々の細胞の時間をかけた段階的な回復が可能になる、万能なストレス適応システムを表している。

J. G. English, J. P. Shellhammer, M. Malahe, P. C. McCarter, T. C. Elston, and H. G. Dohlman, MAPK feedback encodes a switch and timer for tunable stress adaptation in yeast. Sci. Signal. 8, ra5 (2015).