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TATA結合タンパク質のリン酸化がブルセイトリパノソーマ(Trypanosoma brucei)のスプライスリーダーサイレンシング経路を活性化する
Phosphorylation of the TATA-binding protein activates the spliced leader silencing pathway in Trypanosoma brucei
Sci. Signal., 2 September 2014
Vol. 7, Issue 341, p. ra85
DOI: 10.1126/scisignal.2005234
Ronen Hope1, Efrat Ben-Mayor1, Nehemya Friedman1, Konstantin Voloshin1, Dipul Biswas1, Devorah Matas1, Yaron Drori1, Arthur Günzl2, and Shulamit Michaeli1,*
1 The Mina and Everard Goodman Faculty of Life Sciences, and Advanced Materials and Nanotechnology Institute, Bar-Ilan University, Ramat-Gan 52900, Israel.
2 Department of Genetics and Developmental Biology, University of Connecticut Health Center, Farmington, CT 06030, USA.
* Corresponding author. E-mail: shulamit.michaeli@biu.ac.il
要約 寄生生物ブルセイトリパノソーマ(Trypanosoma brucei)は、ヒトのアフリカ睡眠病の病原体である。T. bruceiの遺伝子は、トランススプライシングとポリアデニル化の過程を経てポリシストロニックな単位で恒常的に転写される。mRNAはすべてトランススプライシングされ、スプライスリーダーRNA(SL RNA)に由来する共通の5′末端エクソンを含有したmRNAが生成される。持続的な小胞体ストレスは、スプライスリーダーサイレンシング(SLS)経路を誘導し、SL RNA転写のサイレンシングによってトランススプライシングを阻害し、プログラム細胞死の増加に関連する。われわれは、SEC63のサイレンシングまたは低pH値によって小胞体ストレスが誘発されているあいだに、セリンスレオニンキナーゼPK3が小胞体から核へと移行し、TATA結合タンパク質TRF4をリン酸化し、転写開始前複合体をSL RNAコード遺伝子のプロモータから解離させることを見出した。PK3の機能を消失させると、小胞体ストレスによって誘導されるプログラム細胞死が減少したことから、SLSはプログラム細胞死の活性化に寄与しているかもしれないことが示唆されている。
R. Hope, E. Ben-Mayor, N. Friedman, K. Voloshin, D. Biswas, D. Matas, Y. Drori, A. Günzl, and S. Michaeli, Phosphorylation of the TATA-binding protein activates the spliced leader silencing pathway in Trypanosoma brucei. Sci. Signal. 7, ra85 (2014).