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ナイーブCD8+T細胞においてプロテインキナーゼD2はT細胞受容体刺激によるジアシルグリセロールシグナリング伝達のデジタル増幅因子である

Protein kinase D2 is a digital amplifier of T cell receptor–stimulated diacylglycerol signaling in naïve CD8+ T cells

Research Article

Sci. Signal., 21 October 2014
Vol. 7, Issue 348, p. ra99
DOI: 10.1126/scisignal.2005477

María N. Navarro1,*, Carmen Feijoo-Carnero1, Alba Gonzalez Arandilla2, Matthias Trost2, and Doreen A. Cantrell1,†

1 Division of Cell Signalling and Immunology, College of Life Sciences, University of Dundee, Dundee DD1 5EH, UK.
2 MRC Protein Phosphorylation and Ubiquitylation Unit, College of Life Sciences, University of Dundee, Dundee DD1 5EH, UK.

† Corresponding author. E-mail: d.a.cantrell@dundee.ac.uk

* Present address: Servicio de Inmunología, Hospital de la Princesa, Universidad Autónoma de Madrid, Instituto Investigación Sanitaria Princesa, 28006 Madrid, Spain.

要約 プロテインキナーゼD2(PKD2)は、T細胞において、抗原によるT細胞受容体(TCR)の刺激に応答したジアシルグリセロールおよびプロテインキナーゼCにより活性化されるセリン-トレオニンキナーゼである。われわれは単一細胞レベルでPKD2の活性化を定量化し、その結果、このキナーゼがTCR会合の高感度なデジタル増幅因子として働き、それにより、CD8+細胞によるTCRリガンドの質と量に応じた炎症性サイトカインの産生を可能にしていることを見いだした。TCRリガンドの濃度と効力の増加が、活性化PKD2を呈する細胞数を増加させるというような、TCR会合に応じたPKD2活性化のデジタルな応答パターンが認められた。しかし、TCR刺激に応答した各細胞では、細胞性PKD2プール全体(約40万分子)が活性化されていた。さらにPKD2は、抗原刺激によるデジタル的サイトカイン応答の増幅チェックポイントとして働き、TCRシグナル伝達の様々な強度を翻訳し、エフェクター細胞となるナイーブなCD8+T細胞数を決定していた。まとめると以上の結果は、PKDファミリーキナーゼについて、またこれらがどのようにして、TCRによりコントロールされるシグナル伝達ネットワークをデジタル的に増幅しているかについて、洞察を与えている。

M. N. Navarro, C. Feijoo-Carnero, A. G. Arandilla, M. Trost, and D. A. Cantrell, Protein kinase D2 is a digital amplifier of T cell receptor-stimulated diacylglycerol signaling in naïve CD8+ T cells. Sci. Signal. 7, ra99 (2014).

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2014年10月21日号

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