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ミクログリア内のグルコシルセラミドの蓄積がマウスにおいてSTING依存性の神経炎症と神経変性を引き起こす

Glucosylceramide accumulation in microglia triggers STING-dependent neuroinflammation and neurodegeneration in mice

Research Article

SCIENCE SIGNALING
26 Mar 2024 Vol 17, Issue 829
[DOI: 10.1126/scisignal.adk8249]

Rui Wang1, 2, †, Hongyang Sun3, †, Yifan Cao3, Zhixiong Zhang3, Yajing Chen4, Xiying Wang5, Lele Liu3, Jin Wu3, Hao Xu3, Dan Wu3, Chenchen Mu3, Zongbing Hao3, Song Qin6, Haigang Ren3, 7, 8, *, Junhai Han1, *, Ming Fang1, *, Guanghui Wang2, 3, 8, *

  1. 1 School of Life Science and Technology, Key Laboratory of Developmental Genes and Human Disease, Southeast University, Nanjing, Jiangsu 210096, China.
  2. 2 Center of Translational Medicine, First People's Hospital of Taicang, Taicang Affiliated Hospital of Soochow University, Suzhou, Jiangsu 215400, China.
  3. 3 Laboratory of Molecular Neuropathology, Department of Pharmacology, Jiangsu Key Laboratory of Neuropsychiatric Diseases and College of Pharmaceutical Sciences, Soochow University, Suzhou, Jiangsu 215123, China.
  4. 4 Department of Pharmacy, Children's Hospital of Soochow University, Suzhou, Jiangsu 215000, China.
  5. 5 Department of Neurology, Shanghai Jiao Tong University School of Medicine Affiliated Renji Hospital, Shanghai 200000, China.
  6. 6 Department of Anatomy, Histology and Embryology, School of Basic Medical Sciences, Fudan University, Shanghai 200000, China.
  7. 7 Jiangsu Provincial Medical Innovation Center of Trauma Medicine, Institute of Trauma Medicine, Suzhou, Jiangsu 215123, China.
  8. 8 MOE Key Laboratory of Geriatric Diseases and Immunology, Soochow University, Suzhou, Jiangsu 215123, China.

* Corresponding author. Email: junhaihan@seu.edu.cn (J.H.); mfang2008@gmail.com (M.F.); rhg@suda.edu.cn (H.R.); wanggh@suda.edu.cn (G.W.)

† These authors contributed equally to this work.

Editor's summary

酵素であるグルコセレブロシダーゼの欠失は、脂質であるグルコシルセラミドの全身性の蓄積、神経炎症、パーキンソン病のリスク上昇を特徴とするゴーシェ病の原因となる。Wangらは、マウスにおいてグルコセレブロシダーゼを薬理学的に阻害すると、皮質内で炎症性ミクログリアが活性化されることを明らかにした。ミクログリア内のグルコシルセラミドの蓄積は、ミトコンドリアDNAの放出を誘発し、リソソームの機能を損なわせた。その結果、STINGシグナル伝達が活性化され、STINGと損傷ミトコンドリアのクリアランスが損なわれ、それによって神経変性の炎症が促進された。STING阻害薬またはリソソーム機能の賦活薬でマウスを処置すると神経保護作用がみられたことから、患者の治療手段となる可能性が示唆された。—Leslie K. Ferrarelli

要約

リソソーム酵素グルコセレブロシダーゼ(GCase)をコードする遺伝子の変異は、ゴーシェ病(GD)の原因となり、パーキンソン病(PD)とレビー小体病(LBD)の最強の遺伝的リスク因子とみなされている。GCaseの欠失は、細胞内のグルコシルセラミド(GC)の広範な蓄積をもたらし、慢性的な神経炎症を引き起こすことによってGD、PD、LBDの神経病理に関与する。本稿でわれわれは、GCの蓄積が神経炎症を誘発する機構を調べた。そして、GCaseの薬理学的阻害によって誘導されたミクログリア内のGCの蓄積がSTING依存性の炎症を引き起こし、それがin vitroとin vivoの両方で神経細胞の減少に関与することを明らかにした。ミクログリア内のGCの蓄積は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)のサイトゾルへの漏出を誘発し、STING依存性の炎症を引き起こした。リソソームの活性を促進する化合物であるラパマイシンは、ミトコンドリアの機能を改善し、それによってSTINGシグナル伝達を低下させた。さらに、GCの蓄積によるリソソームの損傷は、活性型STINGの分解異常をもたらし、ミクログリアによって媒介される炎症をさらに悪化させた。このように、STING活性の制限は、GCaseの欠失によって引き起こされる神経炎症を抑制するための戦略になる可能性がある。

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