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NF-κBのサブユニットRelBはp100への結合をキナーゼNIKおよびIKK1と競合することによりp100のプロセシングを制御する

The NF-κB subunit RelB controls p100 processing by competing with the kinases NIK and IKK1 for binding to p100

Research Article

Sci. Signal. 27 Sep 2016:
Vol. 9, Issue 447, pp. ra96
DOI: 10.1126/scisignal.aad9413

Amanda J. Fusco1,*, Anup Mazumder1,*, Vivien Ya-Fan Wang2, Zhihua Tao1, Carl Ware3, and Gourisankar Ghosh1,†

1 Department of Chemistry and Biochemistry, University of California San Diego, San Diego, CA 92093, USA.
2 Faculty of Health Sciences, University of Macau, Avenida da Universidade, Taipa, Macau SAR, China.
3 Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute, La Jolla, CA 92037, USA.

† Corresponding author. Email: gghosh@ucsd.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

核内因子κB(NF-κB)のサブユニットp52およびRelBにより形成されるヘテロ二量体は、p100のタンパク質分解プロセシングによるp52産生を中心事象とする非典型的シグナル伝達の産物である。NF-κB誘導キナーゼ(NIK)およびκBキナーゼ阻害因子1(IKK1、IKKαとしても知られる)の2つのキナーゼは、非典型的シグナル伝達中に活性化され、p100のプロセシングにおいて重要な役割を果たす。休止細胞では、RelBは転写不活性p100:RelB複合体としてプロセスされていないp100に結合した状態であり、これは「カッパーBソーム」として知られる他のNF-κB因子とのより大きな集合体の一部である。われわれは、標的遺伝子転写に及ぼす拮抗した作用をもつ、二つの異なるRelBを含む複合体がどのように形成されるかを調べた。われわれは、RelBが、非典型的シグナル伝達時にp100プロセシングおよびカッパーBソーム形成の両方の、度合いを制御することを見出した。RelB、NIK、IKK1、およびp100を含む、「遷移状態」らしき複合体の中で、RelBとNIK:IKK1複合体は、p100のある領域への結合で互いに競合した。遷移性複合体中のp100の一部はプロセシングに耐性であり、結果としてカッパーBソームを形成した。しかしながら、p100タンパク質の別の画分は、NIK:IKK1によるリン酸化およびプロセシングを受ける一方、RelBに結合したままであり、それによりp52:RelBヘテロ二量体を形成した。われわれの結果は、非典型的シグナル伝達においてRelB、NIK:IKK1およびp100の相対濃度の変化が、この遷移性複合体を調節し、p100のプロセシングと保護の間の微妙なバランスを維持するのに重要であることを示唆する。

Citation: A. J. Fusco, A. Mazumder, V. Y.-F. Wang, Z. Tao, C. Ware, G. Ghosh, The NF-κB subunit RelB controls p100 processing by competing with the kinases NIK and IKK1 for binding to p100m. Sci. Signal. 9, ra96 (2016).

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