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ヒトIL-22結合タンパク質アイソフォームはIL-22シグナル伝達のレオスタットとして機能する

Human IL-22 binding protein isoforms act as a rheostat for IL-22 signaling

Research Article

Sci. Signal. 27 Sep 2016:
Vol. 9, Issue 447, pp. ra95
DOI: 10.1126/scisignal.aad9887

Chrissie Lim, MeeAe Hong, and Ram Savan*

Department of Immunology, University of Washington, Seattle, WA 98109, USA.

* Corresponding author. Email: savanram@uw.edu

要約  IL-10ファミリーに属するサイトカインのインターロイキン22(IL-22)は、免疫細胞のみで産生され、肝細胞、ケラチノサイト、結腸上皮細胞などの非免疫細胞においてシグナル伝達性転写因子3(STAT3)を活性化し、組織の恒常性と免疫監視の中核を成すさまざまな過程を駆動する。IL-22シグナル伝達の調節不全は炎症性疾患を引き起こす。IL-22結合タンパク質(IL-22BP、IL22RA2にコードされる)は可溶性のIL-22受容体であり、IL-22活性に拮抗し、自己免疫疾患と遺伝的に関連する。ヒトには、選択的スプライシングによって生成されるIL-22BPアイソフォームがIL-22BPi1からIL-22BPi3まで3つある。一方、マウスの場合は、IL-22BPi2ホモログのみである。われわれは、IL-22BPi3はIL-22BPi2に比べて阻害活性は低いが、恒常性の維持された状態ではさまざまなヒト組織でより豊富に存在することを示した。IL-22BPi2は、IL-22BPi3に比べて、自己免疫の状況下でIL-22と共存することの多い炎症性サイトカインIL-17と協調して遺伝子発現誘導することへのIL-22の寄与をより効率よく阻害した。また、われわれは、IL-22BPi1は分泌されず、したがってIL-22シグナル伝達と拮抗的に作用しないことも示した。さらに、Toll様受容体2シグナル伝達、または骨髄系細胞の成熟因子であるレチノイン酸によって骨髄系細胞が活性化された場合に存在量が増加するアイソフォームは、IL-22BPi2のみであった。これらのデータから、ヒトIL-22BPアイソフォームにはそれぞれ空間的・時間的に異なる役割があり、ある種のレオスタットとして、組織内でIL-22に依存するSTAT3反応を協調的に微調整していることが示唆されている。

Citation: C. Lim, M. Hong, R. Savan, Human IL-22 binding protein isoforms act as a rheostat for IL-22 signaling. Sci. Signal. 9, ra95 (2016).

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