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アンドロゲン除去療法後のSPDEF活性の消失およびTGFBI活性の亢進が前立腺がんのEMTおよび骨転移を促進する

Loss of SPDEF and gain of TGFBI activity after androgen deprivation therapy promote EMT and bone metastasis of prostate cancer

Research Article

Sci. Signal. 15 Aug 2017:
Vol. 10, Issue 492, eaam6826
DOI: 10.1126/scisignal.aam6826

Wei-Yu Chen1,2, Yuan-Chin Tsai3, Hsiu-Lien Yeh4, Florent Suau5, Kuo-Ching Jiang3, Ai-Ning Shao3, Jiaoti Huang6, and Yen-Nien Liu3,*

1 Department of Pathology, Wan Fang Hospital, Taipei Medical University, Taipei 11031, Taiwan.
2 Department of Pathology, School of Medicine, College of Medicine, Taipei Medical University, Taipei 11031, Taiwan.
3 Graduate Institute of Cancer Biology and Drug Discovery, College of Medical Science and Technology, Taipei Medical University, Taipei 11031, Taiwan.
4 Institute of Information System and Applications, National Tsing Hua University, Hsinchu 30013, Taiwan.
5 Department of Microbiology, Faculty of Pharmacy, Dicle University, Diyarbakir 21280, Turkey.
6 Department of Pathology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.

* Corresponding author. Email: liuy@tmu.edu.tw

要約
アンドロゲン受容体(AR)を標的にするアンドロゲン除去療法(ADT)は、前立腺がんの標準的な治療方法である。しかし、大半の腫瘍はADT後に進行して転移性去勢抵抗性前立腺がんとなる。われわれは前立腺がんの上皮間葉転換(EMT)および悪性進行に重要な因子として、1、2および4型コラーゲン結合タンパク質トランスフォーミング増殖因子-β(TGFβ)誘導タンパク質(TGFBI)を同定した。前立腺がんの細胞株において、ARシグナル伝達は転写因子SPDEFの活性を刺激し、TGFBIの発現を抑制した。ADT、AR拮抗作用またはTGFBIの過剰発現はSPDEFの活性を阻害し、前立腺がん細胞の増殖速度を加速させた。TGFBIをノックダウンすると培養細胞の遊走および増殖が抑制され、異種移植モデルにおいて前立腺腫瘍の増殖並びに脳および骨転移が抑制され、また担がんマウスの生存期間が延長した。同じ患者のADT前後に採取した前立腺組織検体を解析したところ、ADTはSPDEFの核内存在量を減少させ、TGFBIの産生を亢進していた。われわれの所見は、TGFBIの誘導は前立腺がんの増殖および転移を促進すること、またこれはARシグナル伝達の調節異常または治療的阻害によって引き起こされうることを示唆している。

Citation: W.-Y. Chen, Y.-C. Tsai, H.-L. Yeh, F. Suau, K.-C. Jiang, A.-N. Shao, J. Huang, Y.-N. Liu, Loss of SPDEF and gain of TGFBI activity after androgen deprivation therapy promote EMT and bone metastasis of prostate cancer. Sci. Signal. 10, eaam6826 (2017).

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