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カルシトニンにより心拍動が一層リズミカルに

A more rhythmic heartbeat with calcitonin

Editor's Choice

Sci. Signal. 24 Nov 2020:
Vol. 13, Issue 659, eabf6590
DOI: 10.1126/scisignal.abf6590

Wei Wong

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: wwong@aaas.org

L. M. Moreira, A. Takawale, M. Hulsurkar, D. A. Menassa, A. Antanaviciute, S. K. Lahiri, N. Mehta, N. Evans, C.Psarros, P. Robinson, A. J. Sparrow, M.-A. Gillis, N. Ashley, P. Naud, J. Barallobre-Barreiro, K. Theofilatos, A.Lee, M. Norris, M. V. Clarke, P. K. Russell, B. Casadei, S. Bhattacharya, J. D. Zajac, R. A. Davey, M. Sirois, A.Mead, A. Simmons, M. Mayr, R. Sayeed, G. Krasopoulos, C. Redwood, K. M. Channon, J.-C. Tardif, X. H. T.Wehrens, S. Nattel, S. Reilly, Paracrine signalling by cardiac calcitonin controls atrial fibrogenesis and arrhythmia. Nature 587, 460-465 (2020). Google Scholar

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33149301/ [PubMed]

心筋細胞から放出されるカルシトニンが線維芽細胞に作用し、心房線維化と不整脈を抑制する

要約

心房細動は、効果的な治療と管理が困難な一般的な心調律障害であり、血餅や脳卒中など心血管に関連した合併症のリスクを高める可能性がある。Moreiraらは、心房心筋細胞がホルモンであるカルシトニンを放出し、これが心房の心線維芽細胞上の受容体に作用して、心房細動に至るおそれがある線維化を抑制することを見出した。ヒト心房の心線維芽細胞をカルシトニンで処理すると、コラーゲンの蓄積および細胞増殖がカルシトニン受容体依存性に抑制された。さらにカルシトニンは、実質的な遺伝子発現変化を伴わず、コラーゲン等の線維形成性の細胞外マトリックス構成要素の分泌を減少させた。持続性心房細動患者の心房心筋細胞からのカルシトニンの分泌は少なく、さらにこれらの患者の心房心線維芽細胞ではカルシトニン受容体が細胞表面から細胞内に再局在化していることで、カルシトニンへの応答性が低かった。カルシトニン受容体の全身欠損マウスでは、コラーゲン、フィブロネクチンおよびα-平滑筋アクチンをコードする遺伝子の発現は増加していなかったものの、心房線維化の亢進が認められ、心房細動になりやすかった。心房特異的にキナーゼLKB1を欠損しているマウスは、心房細動を自然発症した。心房細動の発現および線維化は、カルシトニンのノックダウンにより悪化し、心房におけるカルシトニンの過剰発現により抑制された。このように、心筋細胞から放出されるカルシトニンが線維芽細胞上の受容体を活性化し、心房線維化と心房細動を抑制している。

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