複雑なCAF

Complex CAFs

Editor's Choice

Science Signaling 06 Jul 2021:
Vol. 14, Issue 690, eabk2490
DOI: 10.1126/scisignal.abk2490

Leslie K. Ferrarelli

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: lferrare@aaas.org

S. Affo, A. Nair, F. Brundu, A. Ravichandra, S. Bhattacharjee, M. Matsuda, L. Chin, A. Filliol, W. Wen, X. Song, A. Decker, J. Worley, J. M. Caviglia, L. Yu, D. Yin, Y. Saito, T. Savage, R. G. Wells, M. Mack, L. Zender, N. Arpaia, H. E. Remotti, R. Rabadan, P. Sims, A.-L. Leblond, A. Weber, M.-O. Riener, B. R. Stockwell, J. Gaublomme, J. M. Llovet, R. Kalluri, G. K. Michalopoulos, E. Seki, D. Sia, X. Chen, A. Califano, R. F. Schwabe, Promotion of cholangiocarcinoma growth by diverse cancer-associated fibroblast subpopulations. Cancer Cell 10.1016/j.ccell.2021.03.012 (2021).
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胆管がん由来のがん関連線維芽細胞間の多様性から腫瘍の進行における別個の役割が明らかになる

要約

腫瘍の進行におけるがん関連線維芽細胞(CAF)の役割がますます認められている。しかしながら、CAFは非常に不均一であるため、その特性決定と治療上の利用は困難である。トランスジェニックマウスモデルと患者由来の細胞を用いて、Affoらは、きわめて侵襲性が高く線維性の肝臓腫瘍である胆管がんにおける、CAFの複雑であるが啓発的なプロファイルを明らかにした。胆管がんCAFは、肝星細胞に由来するが、機能的に多様であった。シングルセルRNAシーケンスにより特に炎症性、成長因子、およびサイトカイン経路に関連する遺伝子発現の濃縮について評価したところ、一部のCAF亜集団が別個のグループにクラスター化されたが、他の亜集団はグループ間で重複するか、どのグループにも適合しなかった。関与する機構を検証したところ、CAFサブタイプのこの多様性が腫瘍増殖におけるそれらの役割に著しく異なった影響を与えることを示唆した。例えば、「炎症性」CAFは、成長因子HGFの発現と分泌、および胆管がん細胞上の受容体METの活性化を通じて、腫瘍の成長(具体的には腫瘍細胞増殖)を促進することが確認されており、CAFと腫瘍の直接的な相互作用を示している。対照的に、「筋線維芽細胞性」CAFに関係する経路はどちらも腫瘍増殖を促進せず、間接的なCAF-腫瘍相互作用を示している。これらの知見は、CAFの複雑さとがんの進行におけるそれらの役割の深さに光を投げかけ、この臨床的に治療困難な腫瘍に対処するための潜在的な戦略を明らかにする。

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