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結合タンパク質をデザインする
Designer binders

SCIENCE SIGNALING
9 Jun 2026 Vol 19, Issue 941
DOI: 10.1126/scisignal.aej4237
John F. Foley
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA.
Corresponding author. Email: jfoley@aaas.org
E. Muratspahić, D. Feldman, D. E. Kim, X. Qu, A.-M. Bratovianu, P. Rivera-Sánchez, J. H. Voss, E. P. T. Hertz, M. Jeppesen, F. Dimitri, K. Sakamoto, A. Nallathambi, P. Peceli, J. Cao, B. P. Cary, M. J. Belousoff, P. Keov, P. N. H. Trinh, Q. Chen, Y. Ren, J. Fine, S. Mishra, A. Dalal, S. Sinha, R. Banerjee, M. Ganguly, K. V. Karuppusamy, I. Sappington, T. Schlichthaerle, J. Z. Zhang, A. Pillai, B. Coventry, L. Mihaljević, M. Bauer, S. V. Torres, A. Motmaen, G. R. Lee, L. Tran, X. Wang, I. Goreshnik, D. K. Vafeados, J. E. Svendsen, P. Hosseinzadeh, N. Lindegaard, M. Brandt, Y. Waltenspühl, K. Deibler, L. Deweid, A. Bennett, J. Schöppe, T. Dong, X. Yan, L. Oostdyk, W. Cao, L. Anantharaman, J. J. Weisser, J. F. Bastlund, C. Bundgaard, A. A. Asuni, J. G. English, L. Stewart, L. Halloran, J. B. Spangler, A. Lieber, A. K. Shukla, P. M. Sexton, B. L. Roth, B. E. Krumm, D. Wootten, C. G. Tate, C. Norn, D. Baker, De novo design of miniproteins targeting GPCRs. Nature, 10.1038/s41586-026-10656-8 (2026).
コンピュータによるミニタンパク質設計と細胞スクリーニングを組み合わせて機能的なGPCRアゴニストおよびアンタゴニストを同定する。
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、多くの生理学的プロセスを制御しているため、重要な治療標的となっている。しかし、膜タンパク質であるがゆえの動的な性質のため、GPCRのタンパク質リガンドを設計するのは技術的に難しい。Muratspahićらは、疾患に関連するGPCRのミニタンパク質アゴニスト(作動薬)およびアンタゴニスト(拮抗薬)を開発するために、コンピュータによる新規設計プロセスと顕微鏡ベースのスクリーニングを組み合わせた。著者らはまず、相補的な計算アプローチを使用し、さまざまなGPCRについて、タンパク質表面から内側へポケット状に凹んでいることの多い結合ポケットと相互作用するミニタンパク質を設計した。次に、AlphaFold2などのツールを用いて、最もうまく結合すると予測されるミニタンパク質を選別した。次の段階では、Receptor Diversionと呼ばれる顕微鏡ベースの細胞株スクリーニング法を開発した。これは、強力なミニタンパク質が発現されると標的GPCRの細胞膜へ輸送されなくなるため、細胞内で結合タンパク質と受容体の共局在を可視化できるというものだ。さらに、変異ミニタンパク質の結合解析によって、細胞内およびin vivoで試験できるような最適な結合特性を有する候補結合タンパク質のリストを作成した。一例として、ケモカイン受容体CXCR4のミニタンパク質アンタゴニストをマウスに投与すると、臨床薬AMD3100の場合と同様に、骨髄から造血幹細胞および前駆細胞が放出された。ただし、このミニタンパク質を投与されたマウスのほうが副作用が少なかった。さらに、標的GPCRに結合したミニタンパク質アゴニストおよびアンタゴニストのクライオ電子顕微鏡構造解析の結果は、計算で予測された構造と近似した。まとめると、これらの知見は、ミニタンパク質アゴニストおよびアンタゴニストを設計し、治療薬としての可能性を探究するためのプラットフォームを提供するものである。
2026年6月9日号






