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GPCRの停止
Shutting down GPCRs

SCIENCE SIGNALING
13 Oct 2026 Vol 19, Issue 959
DOI: 10.1126/scisignal.aem9378
John F. Foley
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA.
Corresponding author. Email: jfoley@aaas.org
K. Rhee, L. Shue, A. Adachi, P. Sun, J. Osei-Owusu, D. Zhou, A. Cheng, Y. R. Xu, Q. Li, A. Baluapuri, E. P. Harvey, K. Adelman, M. A. Skiba, B. Cui, J. R. Huh, A. C. Kruse, X. Zhou, GPCR antagonism via rewiring of receptor trafficking and degradation. Nature, 10.1038/s41586-026-11088-0 (2026).
GPCRとトランスフェリン受容体を連結する二機能性抗体がGPCRの下方制御をもたらす。
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、生理機能と疾患のどちらにも重要であることから、多くの臨床承認薬の標的となっている。しかし、一部の現行のGPCR阻害薬は、内在性アゴニストと競合できない、もしくは、恒常的活性化受容体を遮断できないことが原因で、効果がみられない。Rheeらは、リガンドに誘導されるGPCRの内部移行、エンドリソソーム輸送、分解の根底にあるメカニズムに着目し、GPCRを阻害するための代替戦略を考案した。著者らは、GPCRのエンドサイトーシスを制御するために、任意のGPCR(受容体特異的ナノボディを介して)と細胞膜から恒常的に内部移行されるトランスフェリン受容体1(TfR1)の両方を標的とする二機能性抗体(GTAC)を作製した。そして、GPCRを過剰発現する細胞株のフローサイトメトリー解析によって、GTACが標的受容体の細胞表面存在量を大幅に減少させることを示した。さらに、単一のFLAG特異的GTACによって、N末端にFLAGタグを発現する複数のGPCRの内部移行を誘導させることに成功した。共焦点顕微鏡観察によって、GTACによる誘導によって標的GPCRがエンドソームを介してリソソームまで輸送され、そこで分解されることも明らかにした。GTACによって誘導される受容体の内部移行には、アゴニストに誘導されるGPCRのエンドサイトーシスを媒介するβ-アレスチンの動員は必要なく、受容体の分解はプロテアソームに依存しなかった。in vitroでは、1型アンジオテンシンII受容体(AT1R)に特異的なGTACが、ヒトiPSC由来の心筋細胞においてアンジオテンシンに誘導される収縮を著しく阻害した。免疫細胞遊走を媒介するケモカイン受容体CCR6に特異的なGTACを乾癬性炎症のマウスモデルに投与したところ、対照マウスに比べて疾患重症度が低下した。まとめると、これらの知見は、GTACがGPCRの内部移行と分解を効率的に誘導することを示唆しており、治療薬候補として研究すべきであることを示している。
2026年10月13日号






