TGF-β1の拘束衣にベルクロを追加：新たな抗体が潜在型TGF-β1をマトリックスに縛りつける

SCIENCE SIGNALING
9 Jul 2024 Vol 17, Issue 844
[DOI: 10.1126/scisignal.ado5279]

Boris Hinz^{1, 2, *}

1. ¹ Keenan Research Institute for Biomedical Science of St. Michael's Hospital, Toronto, Ontario, Canada.
2. ² Faculty of Dentistry, University of Toronto, Toronto, Ontario, Canada.
3. Corresponding author. Email: boris.hinz@utoronto.ca

要約

本誌今週号においてJacksonらは、トランスフォーミング増殖因子β1（TGF-β1）を、細胞外マトリックスの潜在型複合体に（まさに文字どおりに）縛りつける、新たな抗体戦略を示している。この抗体は、免疫細胞の表面に提示される潜在型TGF-β1には影響を及ぼさないため、TGF-β1の有益な免疫抑制活性に影響を及ぼすことなく、線維化におけるその有害な作用を標的にすることが可能になる。