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潜在型細胞外マトリックス複合体からのTGF-β1放出を阻害する抗体が腎線維化の進行を軽減する

An antibody that inhibits TGF-β1 release from latent extracellular matrix complexes attenuates the progression of renal fibrosis

Research Article

SCIENCE SIGNALING
9 Jul 2024 Vol 17, Issue 844
[DOI: 10.1126/scisignal.adn6052]

Justin W. Jackson1, †, Frederick C. Streich Jr.1, †, Ajai Pal1, George Coricor1, ‡, Chris Boston1, Christopher T. Brueckner1, §, Kaleigh Canonico1, Christopher Chapron1, Shaun Cote1, Kevin B. Dagbay1, ¶, Francis T. Danehy Jr.1, Mania Kavosi1, Sandeep Kumar1, #, Susan Lin1, **, Christopher Littlefield1, ††, Kailyn Looby1, ‡‡, Rohan Manohar1, ††, Constance J. Martin1, §§, Marcie Wood1, 2, Agatha Zawadzka1, Stefan Wawersik1, ¶¶, Samantha B. Nicholls1, Abhishek Datta1, ##, Alan Buckler1, Thomas Schürpf1, ***, Gregory J. Carven1, †††, Mohammed Qatanani1, Adam I. Fogel1, *

  1. 1 Scholar Rock Inc., 301 Binney Street, Cambridge, MA 02142, USA.
  2. 2 ToxStrategies LLC , 23501 Cinco Ranch Boulevard, Katy, TX 77494, USA.
  3. * Corresponding author. Email: afogel@scholarrock.com
  4. These authors contributed equally to this work.
  5. Present address: Shasqi Inc., 665 3rd Street, San Francisco, CA 94107, USA.
  6. § Present address: Bristol-Myers Squibb, 250 Water Street, Cambridge, MA 02141, USA.
  7. Present address: Keros Therapeutics, 1050 Waltham Street, Suite 302, Lexington, MA 02421, USA.
  8. # Present address: DEM Biopharma, 730 Main Street, 5th Floor, Cambridge, MA 02139, USA.
  9. ** Present address: Radiant Therapuetics, 686 Bay Street, Toronto, ON M5G 0A4, Canada.
  10. †† Present address: Mediar Therapeutics, 20 Overland Street, Boston, MA 02215, USA.
  11. ‡‡ Present address: Dyno Therapeutics, 343 Arsenal Street, Suite 101, Watertown, MA 02472,USA.
  12. §§ Present address: Generation Bio, 301 Binney Street, Cambridge, MA 02142, USA.
  13. ¶¶ Present address: Q32 Bio, 830 Winter St., Waltham, MA 02451, USA.
  14. ## Present address: Scion Innovations, 134 Coolidge Avenue, #2, Watertown, MA 02472, USA.
  15. *** Present address: Incendia Therapeutics Inc., 40 Guest St., Boston, MA 02135, USA.
  16. ††† Present address: Curie.Bio, 68 Harrison Avenue #605, PMB 40851, Boston, MA 02111, USA.

Editor's summary

トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)は多くの組織において線維化を引き起こすが、TGF-βシグナル伝達を全般的に阻害する治療は、免疫系に影響を及ぼし、心毒性を示す。Jacksonらは、細胞外マトリックスに提示された潜在型のTGF-β1に特異的に結合してその放出を阻害する抗体を開発した。この抗体はマウスにおいて毒性作用を示さず、TGF-β2またはTGF-β3の潜在型複合体や、免疫細胞に提示された潜在型TGF-β1には結合しなかった。2つの腎線維化げっ歯類モデルにおいて、抗体の全身投与により線維化が軽減された。この方法の特異性により、安全にTGF-βを標的化して線維性疾患を治療できるようになる可能性がある(HinzによるFocusも参照)。—Annalisa M. VanHook

要約

トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)経路の阻害剤は、有望な抗線維化治療となる可能性があるが、3つのTGF-βホモログすべてを非選択的に同時に阻害することは、安全性の面から不利益がある。TGF-β1は潜在関連ペプチドに非共有結合し、次に潜在関連ペプチドが、大きな潜在型複合体内の異なる提示分子に共有結合する。潜在型TGF-β結合タンパク質(LTBP)はTGF-β1を細胞外マトリックスで提示し、TGF-β1は、glycoprotein A repetitions predominant(GARP)およびロイシンリッチリピートタンパク質33(LRRC33)の2つの膜貫通タンパク質によって免疫細胞に提示される。今回われわれは、LTBPによって提示されるTGF-β1に選択的に結合してその活性化を阻害する一方、GARPまたはLRRC33によって提示されるTGF-β1には結合しない抗体である、LTBP-49247を報告する。構造研究において、LTBP-49247は、LTBPによって提示されたTGF-β1のエピトープを認識するが、GARPまたはLRRC33によって提示されたTGF-β1ではこのエピトープに接近できないことが示され、LTBPと複合体を形成したTGF-β1へのこの抗体の選択性が説明された。病因が異なる2つの腎線維化げっ歯類モデルにおいて、LTBP-49247は線維化の進行を軽減したことから、LTBPによって提示されるTGF-β1が腎線維化に中心的役割を果たすことが示された。マウスにおいて、LTBP-49247は、選択性の低いTGF-β阻害剤に関連する毒性作用を示さなかった。これらの結果は、線維化治療の方法として、LTBPと結合したTGF-β1の選択的な標的化が実行可能であることを証明している。

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