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FGFRシグナル伝達経路におけるスイートスポット

A Sweet Spot in the FGFR Signal Transduction Pathway

Perspectives

Sci. Signal., 17 January 2012
Vol. 5, Issue 207, p. pe1
[DOI: 10.1126/scisignal.2002789]

Amin S. Ghabrial*

Department of Cell and Developmental Biology, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, PA 19104, USA.

* Corresponding author. E-mail, ghabrial@mail.med.upenn.edu

要約:ヘキソサミン生合成経路は、その最終産物がUDP-Nアセチルグルコサミン(UDP-GlcNAc)であり、脂質のグリコシル化、ヘパラン硫酸プロテオグリカンの生成、タンパク質のNおよびO結合型グリコシル化などのような細胞の糖鎖付加経路の基礎になる。ショウジョウバエ(Drosophila)における順遺伝学的研究によって、ヘキソサミン生合成経路の様々な酵素をコードする遺伝子の変異が、UDP-GlcNAcを異なる程度で減少させ、その結果として特定の糖鎖付加経路と発生過程が撹乱されることが明らかになった。母性および接合子性の機能喪失スクリーニングによって、ヘキソサミン生合成経路の1酵素をコードするnesthockernst)の変異が同定された。母性と接合子性のnst遺伝子産物を欠損する胚は、繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)特異的アダプタータンパク質のO-GlcNAc化の欠陥を示し、その結果として中胚葉細胞と気管細胞のFGFR依存性移動が損なわれていた。

A. S. Ghabrial, A Sweet Spot in the FGFR Signal Transduction Pathway. Sci. Signal. 5, pe1 (2012).

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