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プレキシンはRapのGTPアーゼ活性化タンパク質であり、二量体形成の誘導によって活性化される

Plexins Are GTPase-Activating Proteins for Rap and Are Activated by Induced Dimerization

Research Article

Sci. Signal., 17 January 2012
Vol. 5, Issue 207, p. ra6
[DOI: 10.1126/scisignal.2002636]

Yuxiao Wang1*, Huawei He1*, Nishi Srivastava2, Sheikh Vikarunnessa1, Yong-bin Chen3, Jin Jiang1,3, Christopher W. Cowan2,4, and Xuewu Zhang1,5†

1 Department of Pharmacology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75063, USA.
2 Department of Psychiatry, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75063, USA.
3 Department of Developmental Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75063, USA.
4 Department of Ophthalmology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75063, USA.
5 Department of Biochemistry, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75063, USA.

* These authors contributed equally to this work.

† To whom correspondence should be addressed. E-mail: xuewu.zhang@utsouthwestern.edu

要約:プレキシンは、セマフォリンに結合し、ニューロンの発達、免疫応答、その他の過程を調節するシグナルを伝達する細胞表面受容体である。プレキシンを介するシグナル伝達は、R-RasおよびM-Rasに対して特異的なグアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)活性化タンパク質(GAP)の活性に依存することが提唱されている。プレキシンのGAP活性のこのような活性化には、セマフォリンがプレキシンの細胞外ドメインに結合するのと同時に、Rho GTPアーゼであるRac1またはRnd1がプレキシンの細胞質領域に結合する必要があるように思われる。しかし、最近のいくつかの研究において、プレキシンのGAP活性は検出できていない。われわれは、精製したプレキシンの細胞質領域が、RapのGAPとして機能するために非標準的触媒機構(R-RasまたはM-RasのGAPとして機能するときとは異なる機構)を用いていることを示す。プレキシンのRapGAP活性は自己抑制されていて、二量体形成の誘導によって活性化された。生化学的解析および結晶学的解析では、Rho GTPアーゼの結合はプレキシンのRapGAP活性の活性化に直接的には寄与しないことが示された。セマフォリンは細胞内で完全長のプレキシンのRapGAP活性を促進した。これは、プレキシンによって媒介されるニューロンの成長円錐の崩壊にとって必要であった。今回の知見はプレキシンシグナル伝達の経路を明らかにし、セマフォリンによって誘導されるプレキシンの活性化機構について洞察を与えるものである。

Y. Wang, H. He, N. Srivastava, S. Vikarunnessa, Y.-b. Chen, J. Jiang, C. W. Cowan, X. Zhang, Plexins Are GTPase-Activating Proteins for Rap and Are Activated by Induced Dimerization. Sci. Signal. 5, ra6 (2012).

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