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Fボックスタンパク質はストレス回復時に翻訳を伸長する

F-Box Proteins Elongate Translation During Stress Recovery

Perspectives

Sci. Signal., 5 June 2012
Vol. 5, Issue 227, p. pe25
[DOI: 10.1126/scisignal.2003163]

Sylvain Meloche1,2* and Philippe P. Roux1,3*

1 Institute for Research in Immunology and Cancer, Université de Montréal, Montreal, Quebec H3C 3J7, Canada.
2 Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, Université de Montréal, Montreal, Quebec H3C 3J7, Canada.
3 Department of Pathology and Cell Biology, Faculty of Medicine, Université de Montréal, Montreal, Quebec H3C 3J7, Canada.

* Corresponding author. E-mail: sylvain.meloche@umontreal.ca (S.M.); philippe.roux@umontreal.ca (P.P.R.) 

要約:タンパク質合成は、エネルギー的な負担を伴い、進化的に保存された機構による厳重な調節を受ける。制限された増殖条件下や、DNA損傷などの種々のストレスに応答して、細胞はタンパク質合成を抑制し、利用可能なアデノシン三リン酸をより不可欠な過程に向け直す。逆に、がん細胞のような増殖細胞は、タンパク質合成速度を高めて、増殖に関連する同化過程を支援する。mRNAの翻訳は、開始、伸長、終結という別個の三つの段階からなる。これらの三段階のすべてが高度な調節を受けるが、翻訳制御の大部分は律速段階である開始段階で起こる。新たな証拠によって、翻訳伸長の調節に関与する分子機構が示された。DNA損傷によって、初期にはアデノシン一リン酸(AMP)活性化プロテインキナーゼ(AMPK)依存性の機構を介して、真核生物伸長因子2キナーゼ(eEF2K)が活性化され、伸長が減速した。しかし、チェックポイントからの回復時には、SCF(Skp・カリン・Fボックス含有)βTrCP(β-トランスデューシンリピート含有タンパク質)E3ユビキチンリガーゼがeEF2Kの分解を促進し、それによってペプチド鎖の伸長を回復させた。これらの結果は、DNA損傷シグナル伝達と翻訳伸長の調節との重要なつながりを証明している。

 

S. Meloche, P. P. Roux, F-Box Proteins Elongate Translation During Stress Recovery. Sci. Signal. 5, pe25 (2012).

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