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eEF2Kの共役した活性化と分解が遺伝毒性ストレスに対するタンパク質合成を調節する

Coupled Activation and Degradation of eEF2K Regulates Protein Synthesis in Response to Genotoxic Stress

Research Article

Sci. Signal., 5 June 2012
Vol. 5, Issue 227, p. ra40
[DOI: 10.1126/scisignal.2002718]

Flore Kruiswijk1, Laurensia Yuniati1, Roberto Magliozzi1, Teck Yew Low2,3, Ratna Lim1, Renske Bolder1, Shabaz Mohammed2,3, Christopher G. Proud4, Albert J. R. Heck2,3, Michele Pagano5,6, and Daniele Guardavaccaro1*

1 Hubrecht Institute–KNAW and University Medical Center Utrecht, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, Netherlands.
2 Biomolecular Mass Spectrometry and Proteomics, Bijvoet Center for Biomolecular Research and Utrecht Institute for Pharmaceutical Sciences, Utrecht University, Padualaan 8, 3584 CH Utrecht, Netherlands.
3 Netherlands Proteomics Center, Padualaan 8, 3584 CH Utrecht, Netherlands.
4 School of Biological Sciences, School of Biological Sciences, Life Sciences Building, University of Southampton, Southampton SO17 1BJ, UK.
5 Department of Pathology, NYU Cancer Institute, New York University School of Medicine, 522 First Avenue, SRB1107, New York, NY 10016, USA.
6 Howard Hughes Medical Institute.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: d.guardavaccaro@hubrecht.eu

要約:eEF2K[真核生物伸長因子2(eEF2)キナーゼ]は、eEF2(リボソームにおけるトランスファーRNAのA部位からP部位への移行を促進することによってmRNAに沿ったリボソームの移動を媒介するタンパク質)をリン酸化することによってペプチド鎖伸長速度を制御する。eEF2KによってeEF2がトレオニン56(Thr56)でリン酸化されると、リボソームへの親和性が減少し、それによって伸長が抑制される。本稿では、遺伝毒性ストレスに応答して、AMPK(アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ)によるセリン398のリン酸化によってeEF2Kが活性化されたことを報告する。活性化されたeEF2KはeEF2をリン酸化し、伸長段階での一時的なリボソームの移動の減速を引き起こした。その後、eEF2Kは、細胞周期再エントリを可能にするために必要な過程であるDNA損傷チェックポイントサイレンシングの際に、ユビキチンリガーゼSCFβTrCP(Skp1–Cul1–F-ボックスタンパク質、β-トランスデューシンリピート含有タンパク質)を介して、ユビキチンプロテアソーム系によって分解され、翻訳伸長の急速な再開が可能になった。この事象には、標準的なβTrCP結合ドメインにおけるeEF2Kの自己リン酸化が必要であった。チェックポイントサイレンシングの際にeEF2Kが分解できないと、eEF2のThr56でのリン酸化が持続し、翻訳伸長の再開が遅延した。このように、われわれの研究はDNA損傷シグナル伝達と翻訳伸長の関係を確立した。

F. Kruiswijk, L. Yuniati, R. Magliozzi, T. Y. Low, R. Lim, R. Bolder, S. Mohammed, C. G. Proud, A. J. R. Heck, M. Pagano, D. Guardavaccaro, Coupled Activation and Degradation of eEF2K Regulates Protein Synthesis in Response to Genotoxic Stress. Sci. Signal. 5, ra40 (2012).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

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2012年6月5日号

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